TOP > クローズアップカンパニー > 株式会社 高知丸高

株式会社 高知丸高

昨年の高知エコ産業大賞・技術賞の受賞に続いて、今年、高知県地場産業大賞を受賞。そして平成16年度四国地域産業技術推進貢献企業として、四国経済産業局長賞を受賞した株式会社高知丸高。その高い技術力は、すでに国内のフィールドを飛び出し、世界に求められる技術へとなろうとしている。

基礎工事のパイオニア

 株式会社高知丸高は、昭和42年に有限会社高知丸高運輸として設立。ダム工事の仮設設備工事から始まり、基礎工事の需要増加を受けて岩盤削孔・掘削工事へと事業内容を転換。昭和56年、西日本では初めて大口径の岩盤掘削機を導入。その後、パーカッション掘削工法の重錘式工法、ダウンザホールハンマー工法を相次いで導入し、「岩掘の丸高」として知られるようになった。
 ダウンザホールハンマー工法とは、岩盤に衝撃を与え、せん断破壊を生じさせつつ掘削を行う工法で、硬質岩盤には特に威力を発揮する。他の工法よりも経済性、掘削スピード、重機の小型化、環境面で優れている。
 常に悪条件の基礎工事、より硬質な岩盤削孔へと挑戦を続けてきた同社は、現在、このダウンザホールハンマー工法(大口径削孔)を用いた岩盤掘削施工で業界1位の実績を誇っている。

世界初のエア駆動式ダウンザホール掘進機を開発

 同社は山岳部での作業効率の向上や地球環境への配慮から、平成15年3月に全く新しいダウンザホール掘進機、「エア式ロータリーテーブルマシン・MT‐A560」を開発。その高い技術力と環境への配慮が評価され、昨年は高知エコ産業大賞・技術賞を受賞した。
 それまでの掘進機は、油圧モーターやコンプレッサーなど数種類の装置で構成されており、駆動システムが複雑化、高コスト化し、その上、山中の急傾斜地などでは設置スペースを確保することが困難であった。また、水上作業では作動油のもれによる油汚染も問題になっていた。 
 そこで同社では油圧モーターに代えて空気圧モーターにし、駆動源をエアに一元化することを考案。高知工科大学総合研究所・ものづくり先端技術センター長の横川 明教授、機械設計製造の(有)アイ工業(高知市高須東町、市川斉司社長)との共同開発で、エア駆動によって安定した運転状態を保持することができるダウンザホール掘進機が誕生した。
 これにより駆動システムの簡略化に成功。装置コストや施工コストの低減につながるとともに、メンテナンスも容易になった。また、掘進機の設置スペースを節減するとともに、油汚染を防止し、環境負荷も軽減。騒音防止にもつながった。現在エア式ロータリーテーブルマシンは、国内を初め東南アジア、中国などで販売されている。

新仮桟橋工法(セクシーピア工法)が県地場産業大賞を受賞

 また同社は今年、ダム工事などの仮桟橋・作業構台構築において、従来とは逆の発想によって、工期の短縮、工費の削減、安全性の確保を実現した新仮桟橋工法(セクシーピア工法)で県地場産業大賞を受賞した。
 従来の仮桟橋工事では、まずH鋼を打ち込み、下から組み立てていく。これは、山岳部という悪条件だけでなく、大型クレーンの使用や高所作業を伴う危険な工事。常に短期間での作業が求められ、工期短縮と品質・安全性の確保が問われる。
 セクシーピア工法は、従来の工事とは逆に、先に上部工を架設し、その上部工をガイドとして足場となる支持杭(鋼管…筒状の鉄鋼)をエア式ロータリーテーブルマシンによって打ち込んでいく。ダウンザホール工法の技術を持つ同社ならではの方式だ。鋼管はH鋼よりも少ない本数で強度が保てる上、この工事は安定した上部工からの杭打ち作業となるため、安全で高精度の工事が可能だ。
 また同社では、自然条件や使用目的に応じたパーツをあらかじめ工場で製作しておくことでも、現地作業を簡略化。特に、このほど開発したワンタッチ伸縮梁組立では、さらなる安全性の向上と工期短縮を実現した。
 ワンタッチ伸縮梁組立とは、これまで支持杭間を梁によって固定する際に、仮桟橋のまわりに足場をかけて高所で行っていた梁の取り付け作業を、工場で製作された組立済みの梁を、現場のクレーンでワンタッチ施工できるようにしたもの。熟練した技術が必要だった作業を、誰でも安全に行うことができるようにした。
 「今後はこの工法を応用し、通行量の少ない山間部の橋や、災害復旧用の橋、道路拡幅橋など、工期、工費が大幅に低減できる簡易橋として開発を進めていく考えです」(代表取締役 高野広茂氏)。この工法による仮桟橋施工は、すでに国外からも引き合いが来ているという。同社の事業フィールドは、世界へと広がりつつある。

丸高の新たな提案 鉄鋼製津波浸水避難施設

 同社では今年、津波避難のための鉄鋼製津波浸水避難施設を開発、県内外に施工を提案している。
 津波が発生した場合、海岸近くの住民は3〜4階以上の鉄筋コンクリート製の建物や高台の避難施設へと避難しなければならないが、津波の進行速度は非常に速く、施設までたどり着けないことも考えられる。現在、海岸近くに避難所が存在しないのも現実だ。
 同社は被害の想定される状況によって4タイプの避難施設を開発。らせん階段状のタワー式、高架式(ヘリポート兼用)、油圧によって昇降する強制昇降式(ヘリポート兼用)、浸水によって自然浮上する浮体式(ヘリポート兼用)がある。すべてソーラーシステムによって発電し、衛星利用測位システム(GPS)を装備したブイで津波の発生を即時に促える津波計測機能も併せ持つ。
 「この施設は、避難者に対して食料や医薬品などの必要物資を準備し、緊急時には別の安全な場所へと避難することも可能です。普段は展望施設やイベント会場、市場などの観光施設として付加価値をつけて利用できないかと考えています。平常時に収益を上げていくことで、施工費を償却していくことも検討していただければと思います」(高野社長)。

 

 逆風にさらされる建設業界にあって、産学官の連携を生かした研究開発力と高い技術力で勝ち残ってきた同社。高知発の技術が、世界へと羽ばたこうとしている。

株式会社 高知丸高

所在地 : 高知県高知市薊野南町28番2号
TEL:088‐845‐1510 FAX:088‐846‐2641 http://www.ko-marutaka.co.jp

Copyright © Business Kochi. All Rights Reserved.