
第1回:マーケティングに影響を及ぼす経営環境因子について
現代経営においてマーケティングの優劣が経営の優劣に直結していることは議論の余地がありませんが、マーケティング不在の経営が非常に多いのは残念です。
ここではマーケティングの定義を後談に譲り、マーケティングに影響を及ぼす経営環境因子について確認してみましょう。
最重要因子は、これから日本は『人口が減少し、企業が減少し、消費が減少する』です。
昭和20年の総人口は約7千2百万人で、その後は平成17年の約1億2千7百万人まで約60年間人口増となります。特に昭和60年ぐらいまでが急増しています。

これを経営的に視ると、昭和20年当時の食糧も被服も住居も何もない時代から人口増とともに消費者が次々と現れて来た時代だと捉えることができます。
この時代の経営は、お客様が商品・サービスの提供を行列して待ってくれていたので、作れば売れる、前年対比10%アップと言うような感覚で良かったのです。極端に表現すれば、マーケット(市場)は人口増とともに自然に拡大していたので、企業は少し頑張れば良かったのです。
一方、将来人口は平成17年をピークに減少に入り、21世紀の終わりには5千万人台まで減少すると予想されています。
これを経営的に視ると、生活必需品にとどまらずテレビ、車、携帯電話、ファッションに至るまで溢れ返っている時代で、少子のため住宅まで余ってしまうかも知れない時代に入っていると言えます。
平成20年の現時点では既に総人口は減少し始めており、全て満たされている状況で急に消費者がいなくなっているのです。企業数と商品・サービスの数量はピーク時とあまり変わらないのに消費者人口が急激に減少しているのです。
人口増減と人口移動はビジネスにおいて最大の環境因子であるにも関わらず、まるで人のいない原野で店をするような経営感覚も多く見受けられます。人のいない原野ではどんなマーケティングも役に立たないのです。
人口増が続いている時は「作って売る」「規模拡大により効率を上げる」というように、まさしく『経済学で捉えて』十分経営できる時代でした。
人口減の現時点から、将来は「売れるものを作る」「顧客ニーズに細かく対応する」時代です。選択権を有した消費者から支持してもらえなくなる時代だと言えます。言い換えれば『心理学で考える時代』になっているのです。
この『心理学で考える時代』だからこそマーケティングの優劣が勝敗を分けるのです。
