第2回:心理学でマーケティングを考える

 「心理学でマーケティングを考える」の前段階として、今後国内人口の減少すなわち自社の現在の顧客・市場の減少に対して、どういう成長戦略をとればよいのかについて自社の事業の方向性を明確にしておく必要があります。
 国内人口の減少・顧客の減少が意味することは、単に競争が激しくなるだけのことではありません。仮に、二割の顧客・市場が減少することはこれに関するすべての流通にある事業規模が二割減少することだと極論されます。実際に公共工事が二割削減された状態が三年続いた地方ではやはり二割の会社が消滅しています。ただし、生き残れた会社の大半は苦しい収益状態は改善されるどころか悪化の傾向にあります。なぜなら、市場が縮小し続けているからです。これが市場が減少することの恐さです。
 このような企業を取り巻く環境の中で、どのように自社の成長戦略を考えればよいかということから整理しておきましょう。

 

 

@事業を大きくとらえる。

・今後伸びる市場はどこか。その市場の中で自社が競争力を発揮するには、どのような商品・サービスの強化、開発が必要か。

 

 県内から県外へ、国内から海外へと現在の市場の減少をカバーするために、他地域へ水平展開できないか。その場合、自社の商品・サービスをどのように強化すべきか。
 例えば、すでに様々な調査報告書で警告されている「世界的な食糧危機」に対してどうビジネスを展開するか。社会貢献の視点も含めた戦略展開はすでに始まっています。大手小売事業者による農産物生産者の囲い込み。中国向け有機野菜の生産及び輸出、あるいは天候変化に対する農産物の品種改良・種ビジネス。さらには天候に左右されない野菜果物の水耕栽培生産(季節を問わない工場での大量生産化)といった動きが企業規模の大小を問わずに進んでいます。人口減少によって国内出荷はさらに減少する農産物市場の中で、世界の食糧需給に視点を当て、海外市場への展開のチャンスとし、より付加価値の高い商品分野で成長しようとしています。

 

 

A売上規模でなく、収益性を優先する。

・100億の売上で1億の経常利益を獲得する事業より、10億の売上で1億の経常利益を獲得する事業を優先する。


 基本的に顧客市場規模は無尽蔵ではないこと、加えて同じ市場がいつまでもあると考えないことが重要です。どうしても規模を追うのなら、売上10億経常利益1億の事業を10経営すれば、結果的に売上100億の事業グループが形成されるという方向性もあります。

 

 

B最終的に、大資本企業の参入しない市場を選択する。

 市場規模が大きくない。大量生産できない。独自の知財分野であるといった条件が挙げられます。

 

以上のことは、非常にシンプルですが、中小企業が存続発展し続けるための不可欠の視点です。

 

塚野隆也(ツカノ タカヤ)
RIC(Realize Innovation and Creation of Management)代表(香南市在住)
メール:ric-tsukano@mbs.sphere.ne.jp

1959年熊本県熊本市出身。
大学で機械工学を専攻、京都の経営コンサルティング会社にて全国の中小企業を顧客として、経営診断、営業、生産、戦略立案、新規事業開発等100社以上のコンサルティングを行う。以後グループ会社であるベンチャーリンクにて金融機関向けホワイトカラーの生産性向上、FC事業構築、展開、本部SV育成支援業務等に従事。2000年役員定年規定により取締役を退任。
以後香南市にて、高知県内外にて公的機関のアドバイザー等を務める。
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