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第2回 「決算書って?」
(承前)
1999年以降、金融機関は大きく様変わりをした。風景が一変したと言っていいだろう。ところが、このような変化にあまりにも無頓着な経営者が多いのも事実である。間接金融を恃む中小零細企業にとって、金融機関との取引は非常に重要である。その大前提となる『決算』や『決算書類』は同じく重要である。
今回からのテーマはその『決算書類』である。色々な場をお借りして、これらの重要性を説いている小生であるが、なかなかその重要性について遍く理解されているとは言い難い現状がある。
例えばこういう質問にはどう回答されるだろう?ちょっと考えてほしい。
『貴社にとって、決算・決算書類とはどんなものですか?』
(極端な回答例)
『年1回しょうがないから作っている…』
『決算しないと、銀行や税務署うるさいからねえ…』
『決算?会計事務所を儲けさせるためにやっているようなもの…』
『まあ、たまには棚卸もしないとね…』
賢明な読者の皆様におかれては、このような回答をされることは、まずないと思われるが、いかがであろうか?
中にはこんな例も…
『ええ、借入はあるよ。でもうちは一度も決算書なんて、金融機関に提出したことないよ。今の専務(金融機関の)が支店の担当者だったころから取引があるからねえ。今までも何度か決算書を出してくれとは言われたけど、過去の経緯を話したらそれ以上何も言ってこないから……』
この例などは極端だが、金融機関との取引関係が長い場合、なきにしもあらず……か?
第三者の小生から言わせてもらえば、決算書類等を随時徴求するというような貸付の基本動作を長年にわたって怠ってきた、あるいは過去の経緯からうやむやにしてきた金融機関も金融機関だが、世の中の変化を全く理解していない、あるいは理解しようとしない経営者も経営者だろう。
こんな例はいかがだろう…
『うちは政府系金融機関だけの取引オンリーです。地場の金融機関は担保を新たに提供しないと信用枠を作らない、な〜んて言ってるけど、そんなのはこっちから願い下げ。うちは、できるだけ節税を図りながら、上手に融資を受けたいんですよ…』という、高級車(社用車?)でやってきた社長の片手に握りしめられている決算書をちらっと見ると、その会社の『自己資本比率』※1は、業態の全く異なる『金融機関』よりも低い……
そもそも、『できるだけ節税を図りながら』≒『できるだけ税金を払わないで』、『上手に融資を受ける』≒『決算書から判断される会社の実力のみでお金を借りる』という発想に、この会社(自己資本比率が極めて低い!)の場合、相当無理があるということに、この社長は全く気付いていない。
会社の自己資本を増やし、金融機関に対する交渉力を強化するには、内部留保を厚くするのが『常識』。具体的には『決算書上利益を計上する』≒『利益相応の納税をする』というステップを踏まないで、内部留保を厚くすることは不可能。会社として税金は払いたくない、自分の給料は沢山欲しい、でも銀行からお金も借りたい……世の中そんなにシンプルではないのだけど……
いずれの例も、決算とか決算書類とかに対する、経営者等の『勘違い』『認識不足』からくる笑い話。ある日突然、金融機関からイエローカードやレッドカードをもらわないためにも、その重要性を認識する必要がある。小生が常日頃言っていること、そう『決算書はバナナである』。
何をふざけたことを言って、とお思いの御仁、次回以降こうご期待。
※1 次回以降解説する予定……
(つづく)
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松岡 宣明(まつおか のぶあき)
松岡宣明税理士事務所 所長
〒780-0863 高知市与力町3番4号MAビル
TEL:088(822)8660 FAX:088(822)8662
e-mail:tax007@minos.ocn.ne.jp
高知県出身、1961年生まれ。
京都大学経済学部卒業。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)を経て平成9年松岡宣明税理士事務所開業。
平成11年CFP(ファイナンシャル・プランナー上級資格)試験合格。
NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会高知支部・副支部長、高知大学人文学部・非常勤講師。
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