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FPプロムナードBUSINESS
第6回 「会社法って?」
(承前)
1999年以降、金融機関は大きく様変わりをした。風景が一変したと言っていいだろう。ところが、このような変化にあまりにも無頓着な経営者が多いのも事実。間接金融を恃む中小零細企業にとって、金融機関との取引は非常に重要であり、その大前提となる『決算』や『決算書類』は同じくきわめて重要である。色々な場をお借りして、これらの重要性を説いている小生であるが、それが遍く理解されているとは言い難い現状がある…
この5月1日に『会社法』が施行された。会社経営に携わっている方なら、好むと好まざるとにかかわらず、その影響を受けることになってしまった。日常の業務においてもそのあたり、何となく問題意識をお持ちではないだろうか。
例えば:
・事業所のFAXに毎日最低でも2〜3件は送りつけられてくる『新会社法関連グッズ(!?』に関する広告宣伝
・書店のビジネスコーナーに山積みされている新会社法関連本の数々
・各種業界団体総会研修会等で一番人気のテーマはズバリ『新会社法』
今や、商法学者や弁護士、会計士等はセミナー講師にひっぱりだこである。
確かに、新会社法は口語化され旧商法の会社編や旧有限会社法等に比べれば読みやすくなっている。法律としての根本的発想の大転換や、従来解釈上、論点とされてきたところも相当解消されている。とはいうものの、決して簡単な法律ではない。
学者になるわけではないので、中小企業経営者や実務家は、新会社法が企業経営にいかなる影響を与えるのか?
という視点でその内容を検証する必要があろうし、それで充分であろう。
しかし、そもそも何で今『会社法改正』なのだろうか? 要因は色々とあるが、こんな例はどうだろう。
日本中どこにでもありそうな『個人商店のような株式会社』を思い浮かべていただきたい。定款を紐解けば、機関として、株主総会、取締役会、代表取締役そして監査役とオールキャスト揃い踏み。で、その実態はというと、取締役会とか監査役とかは名目だけ。取締役会・株主総会なんか開催したこともない!
株主総会議事録や取締役会議事録は、税務申告や社会保険関係の届け出や役員登記の時に、なんとなく『その道の関係者』が作っているような、いないような…
結局、商法がもともと描いていた『大規模な会社は株式会社、中小零細規模の会社は有限会社』という目論見は大きく狂い、前述のような『株式会社』が大量に出現、制度の形骸化が言われて久しかったのである。で、今回の抜本的な改正の一つの要因になったという次第。
巷間にあふれる解説本を紐解くと:
『1円でも会社が作れるようになりました』
『会社の実態に即した機関設計ができるようになりました』
『取締役の任期を最長で10年にすることができます』
『1年に何回でも配当ができます』
『利益処分案・損失処理案がなくなりました』
『会計参与という新しい機関ができました。これは中小企業の会計のレベルアップに役立ちます』etc.
これらの内容に関しては、『ふ〜〜ん、そうなんだ』という感じでなんとなくわかったような気分には浸れる。が、隔靴掻痒の感は否めない。
企業の経営者が一番知りたいのは『で、うちの会社にはどんな影響があるの? うちはどうしたらいいの?』だと思う。一つ条文をピックアップしてみよう…
『第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く)に対し、剰余金の配当をすることができる。』
これは、配当がいつでもできるようになったという根拠条文だが、さて、皆さんの会社の決算に関連して実際問題として永年慣れ親しんできた(?)利益処分案(損失処理案)がなくなった今、皆さんは、次の決算株主総会で、いったいどういうアクションをとられるのでしょうか?
簡単な質問なんですが、意外に奥が深い気がする……
新しい会社法は、結構面白い。
(つづく)
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松岡 宣明(まつおか のぶあき)
松岡宣明税理士事務所 所長
〒780-0863 高知市与力町3番4号MAビル
TEL:088(822)8660 FAX:088(822)8662
e-mail:tax007@minos.ocn.ne.jp
高知県出身、1961年生まれ。
京都大学経済学部卒業。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)を経て平成9年松岡宣明税理士事務所開業。
平成11年CFP(ファイナンシャル・プランナー上級資格)試験合格。
NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会高知支部・副支部長、高知大学人文学部・非常勤講師。
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