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知財時代の企業経営
第1回 「知的財産権との係わり」
「知的財産」とは、人間の知的創作活動の産物であるアイデア、発明、考案、著作等の総称であり、「知的財産」を法律により権利として保護するものを「知的財産権」といいます。
「知的財産権」には、特許権、実用新案権、意匠権、商標権が含まれ、この4種類の権利をまとめて「産業財産権」と言います。
「知的財産権」には、その他にも、著作権、営業秘密、半導体回路の回路配置等に関する権利が含まれますが、「産業財産権」は、一定の登録要件を満たしたものだけに特許庁により付与されるものであり、強大なパワーを持つ権利と言えます。
当事務所を訪れる方にはいろいろな方がおられますが、警告書や通告書により産業財産権のパワーを初めて知り、愕然とした気持ちで来所される方もおられます。
婦人服の販売を業とする○○○会社のオーナー△△△氏は、ある日届いた内容証明郵便を開封して愕然としました。郵便物の中身は×××会社の代理人弁理士から届いた警告書であり、その内容は、「貴社の販売しておられる商品には□□□□のブランドが付されていますが、弊社は登録第▲▲▲▲▲▲▲号の商標権を所有しており、貴社の行為は弊社の商標権を侵害するものです。・・・・・・・弊社は貴社に対し、当該商標の即時使用中止と当該商標を付した商品の即時回収を求めます。・・・・・・・また、貴社から誠意ある回答が得られない場合は、遺憾ながら法的手段により問題解決を図るつもりですので、念のため申し添えます。」といったものでした。
オーナーの△△△氏は、この警告書を携え当事務所に駆け込んでこられましたが、当事務所でさらに具体的な事情を聞き、また相手方の権利内容を調査したところ、○○○会社の販売行為は間違いなく相手方の商標権を侵害する行為であると判断しました。
そこで、当事務所はオーナーの△△△氏に、すぐに当該商標の使用を中止するか、または商標の変更を検討し、相手方へはその旨を記載した回答書を内容証明郵便で送るべきであると進言しました。
この○○○会社のケースは、オーナーや企業内担当者が商標権のパワーを予め認識し、ブランド(商標)を使用する前に的確に商標調査を行っていれば、容易に回避できた事態です。また同様のことは、他の「産業財産権」(特許権、実用新案権、意匠権)についても言えます。
インターネットが普及した今日では、企業の商品販売や商品広告に関する行為は容易に他者に知られ得る状態になっています。高知県内での商品の販売行為を東京や大阪の企業が知るまでの時間は、これまでとは比較にならない程短くなっています。企業のオーナーや担当者にとって「知的財産権」、特に「産業財産権」の知識は、すでに必要不可欠のものになっています。
以下に、「産業財産権」中の特許権と商標権のパワーについて、少し説明をします。
(1) 特許権のパワー
特許権を取得した人には、特許発明(特許を受けている発明)を他人に実施させずに自分だけが実施できる権利が与えられます。第三者が特許権者に無断で特許発明を実施した場合、特許権者は強制的な差止請求や損害賠償請求ができます。
また特許権も財産権であることから権利を売買することができ、実施契約により通常実施権や専用実施権を設定することができます。
但し、特許権の存続期間は出願日から原則20年間です。古くなった技術を特定の人や企業に独占させると、却って産業の発達を阻害するからです。
(2) 商標権のパワー
商標権者が独占的に使用(専用権)できるのは、登録商標と同じ態様のものですが、類似範囲(商標が類似する場合、商品や役務が類似する場合)については、他人の使用を押さえ込む(禁止権)ことができます。
従って、登録商標と同一又は類似の商標を、商標権者に無断で第三者が使用すると、商標権者は差止請求権、損害賠償請求権、不当利得返還請求権、場合によっては信用回復措置請求権(新聞紙上への謝罪広告)の行使が可能となります。
なお、商標権の存続期間は登録の日から一応10年間ですが、必要な場合は、更新登録の申請をすることにより、何度でも存続期間を更新することができます。
知財時代の企業経営
神吉 出(かんき いづる)
辻本特許事務所 高知支店 弁理士
辻本特許事務所・高知支店
高知市鷹匠町1丁目3-22 スクエアフロント2階
電話:088-826-6667 FAX:088-826-6668
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