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知財時代の企業経営
第2回 「知的財産権の活用」
最近、新聞やテレビのニュースで、毎日のように特許権、商標権、著作権などの知的財産権に関する話題が取り上げられています。専門家だけでなく、会社員等、一般の人々の間でも話題にのぼるようになっており、知的財産権をうまく活用することが、個々の企業においても重要であることが広く理解されてきました。
これまで知的財産権とは無縁と考えていた企業も、知的財産権を事業活動に生かすことを真剣に考える時期がきたと言えるでしょう。わが国の特許庁は毎年 40万件程度の特許出願を受理していますが、高知県からの特許出願は毎年200件程度に過ぎません。しかし高知県でも、今後の企業経営においては知的財産を創造して権利化し、これを活用していくことが益々強く求められるようになっていくことでしょう。
企業は、知的財産権を活用することによって営業活動を有利に展開し、利益を増やすことができます。すなわち、知的財産権は、競合他社に対する参入障壁となり、市場における優位性を確保してくれるのです。知的財産権があれば独占的な営業ができますので、他社と同じ内容の商品で競争しながらの営業に比べて非常に有利となります。したがって、知的財産権を活用することによって、組織力、資金力等が弱い中小企業でも、大企業や中国等の外国企業との競争に打ち勝ち、有利に事業展開していくことが可能となるのです。
実際に知的財産権を侵害する者が現れた場合には、まず侵害を止めるよう警告を行いますが、それでも侵害行為を止めない場合は裁判所に差止や損害賠償を請求する訴訟を起こすことができます。また、他社が自社の知的財産権の利用を求める場合にはライセンスを与え、その対価としてロイヤリティ(使用料)収入を得ることも可能です。他社との提携事業に際しても、知的財産権は自社に有利な提携条件を導く材料として有効に機能します。さらには、知的財産権を所有することが自社の信用力を高めることにもなります。
このように、知的財産権は、有体の資産にも劣らない価値をもつもので、企業経営上の重要な資源の1つであることに疑いの余地はありません。最近では、投資家も知的財産権に着目しており、企業の有する知的財産権の内容や件数によって株価が左右されるともいわれています。さらに、知的財産権を担保とした融資が行われたり、入札の条件として知的財産権を有していることが求められたりすることもあり、企業の事業活動に大きな影響を及ぼしています。
また、近年の知的財産権に関する侵害事件では、裁判所が高額な損害賠償額を認めるケースが増えています。知的財産権の活用により莫大な利益を得られることもありますが、逆に莫大な損失を被る可能性もあるということになります。自社の知的財産権にもとづいて独占的に商品を生産、販売したり、権利行使したりすることばかりを考え、他人の知的財産権に無頓着でいると、他人の知的財産権を侵害して高額な損害賠償を請求されたり、商品の製造販売を差止められ、事業から撤退しなければならなくなることもあります。また、刑事罰が課されることもあります。
したがって、知的財産権の活用においては、自社の知的財産の権利化や権利行使ばかりにとらわれるのではなく、他社の知的財産権を十分に尊重し、これを侵害しないように注意することが必要です。
知財時代の企業経営
上野 康成(うえの やすなり)
辻本特許事務所 高知支店 弁理士
辻本特許事務所・高知支店
高知市鷹匠町1丁目3-22 スクエアフロント2階
電話:088-826-6667 FAX:088-826-6668
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