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知財時代の企業経営

第3回 「産業財産権の種類」

 知的財産権のうち、特許庁への出願手続きを経て設定されるものとして、特許権、実用新案権、意匠権、及び商標権があります。これらを「産業財産権」といい、いずれも特許庁で設定登録されると、与えられた権利の範囲で他人の行為を排除できる強大なパワーを持つもので、知的財産権の仲間の中でも横綱格といえます。したがって、知的財産権を有効に活用するには、これらの権利を使い分けることが重要になります。


 「特許権」と「実用新案権」は、特許法、実用新案法に規定される権利で、それぞれ発明、考案を保護対象とします。発明、考案とは、自然法則を利用した技術的思想の創作、簡単に言うと技術面のアイデアのことです。
 ただし、実用新案権は具体的な物品の形状、構造又は組合せを対象としています。一方、方法のアイデアや材料組成などは実用新案権の対象ではなく、特許権だけで保護されます。
 なお、実用新案権は出願費用と登録料が安くかつ無審査で登録されるので、早期に権利を確保したい場合に有効な制度です。この実用新案制度は、平成16年度の法律改正により、実用新案権が登録された後でも出願の日から3年以内であれば、実用新案登録に基づいて特許出願を行うことができるようになり、ますます活用の幅が広がりました。


 「意匠権」は意匠法に規定され、物品や物品の部分についての外観のデザイン(形状や、形状に色や模様を施したもの)を、美感の面から保護する権利です。
 特許権、実用新案権、及び意匠権は、一定期間(特許は出願日から20年、実用新案は出願日から10年、意匠は設定登録から15年)独占権を付与することで、新たなアイデアやデザインの創出を奨励して技術競争力を高め、一方で、公表によって新しい技術やデザインの利用を促進するものです。存続期間満了後は、誰でも自由に使えるものとなります。


 「商標権」は、使用する商品やサービスについて、他人と区別するためのマーク(文字、図形、記号など)を保護対象とし、商標法に規定されています。マークの模倣を防ぐことで、マークを使用する製造、販売業者やサービス提供業者の業務上の信用(グッドウィル)を保護し、また、商品やサービスの流通秩序を維持して需要者の利益を保護するものです。
 商標権は、特許権、実用新案権、意匠権とは異なり、適正に使用する限り何回でも更新可能な永久権です。なお、更新は10年ごとに行います。
 また、一つの製品について、複数の権利が同時に成立することもあります。一例として携帯型電話機を考えた場合、例えばその液晶技術やアンテナの収納構造などの”技術面“については特許権や実用新案権、全体形状やディスプレイ部分などの”デザイン“については意匠権、製品に表示したブランド名や”マーク “については商標権と、複数個又は複数種の権利による保護が可能です。


知財時代の企業経営


窪田 雅也(くぼた  まさや)
辻本特許事務所 高知支店 弁理士


辻本特許事務所・高知支店
高知市鷹匠町1丁目3-22 スクエアフロント2階
電話:088-826-6667 FAX:088-826-6668

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