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知財時代の企業経営
第5回 「特許をとるための条件」
周囲の人々が驚くような発明をしたとしても、単に発明をしたというだけでは、誰もこの発明を保護してはくれません。特許をとるためには、発明が次の(1)〜(6)の条件を満たし、「特許を受ける権利」を有する者が適正な出願手続をすることが必要です。
1.特許法上の発明であること
特許法上の発明とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」です。
従って、自然法則を利用しないアイデア(例えば、計算方法、金融方法、保険方法、遊戯方法、暗号作成方法など)は特許法上の発明に該当しませんし、また、以前からあったものを見つける発見(例えば、万有引力の法則の発見)は発明ではありません。
ただし、コンピュータプログラムは、ハードウェア資源を制御・利用するもの等は発明に該当します。
また、コンピュータやネットワークなどの技術的な手段を使用して具体的な情報の処理や制御の機能を実現させるものであれば、ビジネス方法や営業方法もビジネスモデル発明として特許の対象になります。
2.産業上利用できること
特許法の目的は、「産業の発達に寄与すること」(特許法第1条)にありますので、産業上利用することができない発明は保護する必要がなく、特許を受けることができません。
3.新規性があること
新製品を発売したところ売れ行きが好調で、特許の出願をしようとする人がありますが、残念ながら、この場合は出願前に公知(新規性がない)という理由で特許になりません。他人がたまたま同じ発明をして公知にしていようが、出願人自らが公知にしようが、法律上の差はありません。
従って、特許をとるためには、発明の実施品を展示、発売、学会での発表などによって公表する前に、特許出願をしなければなりません。
但し、出願前の試験、刊行物・インターネット・特定の研究集会での発表、特定の博覧会への出品、発明者の意に反する場合の新規性の喪失は、所定の手続をすれば例外として6ヶ月以内の出願に限り、新規性があるとして取り扱われます。
4.進歩性があること
新規性のある新しいアイデアであっても、従来の技術と大差のない技術を特許の名の下に特定の人や企業に独占させると、社会の産業活動がスムーズに進まなくなってしまいます。そこで、特許をとるためには、従来の技術よりも技術的に進歩の度合いの大きいものであること(進歩性)が要求されます。
出願した発明が進歩性を有するか否かは、判断する人の主観によらざるをえません。進歩性の有無は、審査官や審判官が判断しますが、長年の審査例・審決例・判例などの積み重ねによる、専門家としての常識によって判断されることになります。
5.不特許事由に該当しないこと
いわゆる公序良俗や公衆衛生を害するおそれがある発明については、公益的な見地から特許を付与することは不適当です。従って、紙幣偽造装置や毒物を塗布した玩具などは、例え新規性や進歩性があっても特許をとることはできません。
6.最先の出願であること
発明は社会が求めている新しい技術を創作することですから、同じ発明が全く異なる場所、異なる人によって生み出され、同じ発明が別人によって出願されることがあります。
このような場合は、発明が完成された日の先後に関係なく、先に出願した人に特許が与えられます。これを「先願主義」といいます。
一方、出願の日の先後に関係なく、先に発明した人に特許を与えるとする考え方もあります(「先発明主義」)。
しかし、発明の先後の認定が困難なため、この考え方を採用する国はほとんどなく、我が国も「先願主義」を採用しています。
知財時代の企業経営
神吉 出(かんき いづる)
辻本特許事務所 高知支店 弁理士
辻本特許事務所・高知支店
高知市鷹匠町1丁目3-22 スクエアフロント2階
電話:088-826-6667 FAX:088-826-6668
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