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株式会社赤岡青果市場 代表取締役社長 水田幸子さん(78歳)

「元気の秘訣は、仕事を一生懸命やること。」

 高知県には中央卸売市場2社、地方卸売市場11社があり、前者の年間取扱高が約200億円、後者が約200億円。その後者の中で、1社単独で、しかも地場産の青果物のみの取り扱いで100億円台をあげている市場がある。香美郡赤岡町の株式会社赤岡青果市場だ。社長である水田幸子氏は、今年78歳。終戦直後に市場を経営していた父親を亡くし、後継者として役員に就任して60年。高齢化と労力の女性化が進む県内農業を支え、農家の暮らしを豊かにしたいと、今も現役で市場と産地を駆け回っている。


もともとは、教師になりたかったとか。
 分校ではありましたが、代用教員として赴任先も決まっていたんです。ところが父が亡くなりまして、当時父のもとで役員をされていた方々の強い薦めもあって、出征中の兄が戻るまでならと引き受けさせていただくことにしました。
  その後、兄がシベリアで戦死しましたので、そのまま今日に至っているわけです。


市場間競争の激化や卸売市場法の制定など、地方市場を取り巻く環境が激変していく中で、思い切った規模拡大戦略をとられてきました。
 昭和49年から51年にかけて、新市場への移転や倉庫や予冷庫の設備投資、そして株式会社への組織変更を行いました。その後出荷登録者は急増、高度経済成長の需要増にも支えられて、業績も飛躍的に上昇しました。この組織変更と設備投資がなかったら、ここまで来ることはできなかったと思います。
 すべては、周りの皆さんのおかげ。当時の役員さんや生産者の皆さん、関係者の皆さんに感謝の念でいっぱいです。


営農支援にも力を注がれていますね。
 産地の担い手は年々高齢化、女性化しており、農協系統出荷についていけない小規模生産者が増え、経営面積の縮小と労力難に苦しんでいます。そこで昭和 53年、社長就任を機に何よりも小規模生産者に対する労力支援が先決と考え、会社をあげて庭先集荷やバラ荷の受注加工、資材配達などの支援活動に取り組んできました。
 「こんなものでもえいろうか」と持ち込まれてくる規格外の野菜でも、赤岡市場では必ず取り扱うようにしています。少量でも規格外でも大切に扱います。そうした生産者の皆さんが「野菜づくりをしていて良かった」と思える仕組みにこそ、地方市場の将来があると思うのです。そうすることで、生産者の皆さんに、もっともっと作って出荷しようという気持ちが生まれるのではないかと考えています。


それが、取扱高100億円の原動力となっているわけですね。
 生産者あっての市場です。規模拡大や設備投資を積極的に行うのも、すべては生産者の皆さんのため。営利を追求して売り上げを伸ばしてきたわけではありません。むしろ公共性を重視してきました。 今後も、小規模生産者は増えていくでしょう。間違いなく産地市場の果たす役割は大きくなっていきます。
 弊社では、農家の庭先まで集荷車を出して集荷し、規格についても細かく言わずに自ら再選別しています。産地の特徴を生かした品目に絞って、どんな小さな出荷も受け付けています。必要であれば出前研修を行ったり、相談相手になることもあります。
 大きいことを考えると手が出ません。小さなことであればすぐにでも手が差しのべられるものではないでしょうか。こうした取り組みに対して多くの生産者の支持を得られているからこそ、100億円台の売上高を維持できているのだと考えています。


ところで、今でもバイク通勤だとか。
 会社からは「送迎するからもうそろそろ車にしてほしい」とも言われますが、やめるつもりはありません。元気が続く限りバイクで通勤します。


元気の秘訣は?
 仕事を一生懸命やること。それが元気の秘訣。あとは、おいしい県内産の野菜を食べることですね。

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