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高知エコデザイン協議会会長 武藤信義氏さん(57歳)

「環境」による高知県勢の浮揚を。

 高知県の多くの企業が、環境ビジネスにチャンスを見いだし、積極的な取り組みを開始している。その中心となっているのが高知エコデザイン協議会(事務局:高知市布師田3992-2高知県産業振興センター内 TEL・FAX 088-803-1073)だ。2000年の設立以来、高知県においてエコデザインの普及と取り組みを推進。環境産業メッセ・エコプロダクツ2002〜5 では産業界に限らず大学や行政などの大きな注目を集め、県内外の評価も高い。
 2005年、同協議会は設立から5年目という節目の年を迎え、初代会長の西山彰一氏(宇治電化学工業株式会社代表取締役社長)から、高知工科大学連携研究センター長である武藤信義氏へとバトンが渡され、新たなステージの扉を開いた。


新会長の考える協議会のあり方、今後の取り組みについて聞いた。


会長就任について
 「協議会の活動は一つの区切りがついた。次のステップへ進むに当たって、事業性を重視した団体にしてほしい」という前会長の西山氏からの要請でしたね。これまで県予算の支援を得て活動したわけですが、来年からは県予算支援がゼロになるという意味でも、自立化という次のステップへ進む訳です。これまで諸先輩が積み上げてこられた成果を自主運営組織としてどう発展させて行くかという課題に応えなければならない時期にさしかかっております。この課題に答えるひとつの方法として、事業性の重視は有効な方法のひとつだと思っています。こうした意味で私の実業経験を買っていただいたということでしょう。私自身も環境関連の活動に日ごろから意義を認めておりましたので、勤めさせていただくことになりました。


次のステップとは?
 エコデザイン協議会は、環境をキーワードにした活動を通して、高知県の産業に経済活性化に寄与することを目的に活動を行ってきました。中心となっていたのが、コンベンション(環境産業メッセ)の開催を核とした啓蒙活動で、環境に関するPRも含め大変な成果を上げてきました。
 しかし今後は、もっと直接的に県経済に寄与する活動が、組織の求心力を高める意味からも求められていると考えています。


具体的にはどういうことでしょうか?
 高知県は自然資源に恵まれているし、環境というのは産業振興に非常に有効なものです。きっとここにも他府県から収益を上げていくチャンスがあるはず。
 そういうことで、新たにいくつかの委員会を立ち上げました。
 一つが法人化委員会。現在当協議会は任意団体ですが、今後組織を存続していくためにどんな姿がいいのか、どうすれば会員にとって、県民にとって意義ある存在なのかを検討し、それに適した何らかの法人にしていく考えです。
 次に、マーケティング委員会。ここでは、家庭の主婦や消費者がどういう商品を求めているのかという観点でのものづくりを検討します。これまで行ってきた高知エコ産業大賞も地域のエコに関連する事業を検証するということではあったが、創り上げるということではなかった。企業のエコに関連した「消費者が欲しい」と思う商品づくりを支援します。
 それから、ゴミに関する委員会。どちらかの市町村とタイアップできればと考えていますが、ゴミの減量化に関して各市町村の持っている具体的な問題にまで入り込んで解決することができればと考えています。
 また、エコツアー、エコエデュケーションといったものについても進めていきます。高知は自然に恵まれた土地。その自然に触れたり、学んだりすることには大きな価値がありますが、具体的なメニューが限られています。
 どういうターゲットにどれくらいのお値段で、どういう内容のサービスを提供するのか。どこでどんなサービスが受けられるのかといったメニューを作ることで、集客につなげていきます。
 現在、旅行市場の多くを占める「安・近・短」と言われるマーケットは、20歳〜4、50歳くらいの方が中心。この市場への取り組みも当然重要ですが、私たちが考えるのは、「安・近・短」市場ではなく、自分自身を高めていく、人生の深層に関わる部分を高知で手に入れられるような、本質的な豊かさを提供するツアー。農業や林業、住まいづくりや楽器づくり、釣りなどもいい。「本物」がここにあるというのが、高知県の魅力なんです。
 ターゲットになるのは19歳以下や、60歳以上といった両端の世代。本物が必要な方と本物がわかる方に、3ヵ月とか1ヵ月単位で高知県に来ていただいて、深く楽しんでもらうわけです。これも環境を通したビジネスチャンスではないでしょうか。
 最後のプロジェクトは、エコ住宅の開発です。高知県には「土佐派の家」という立派な住宅があります。すばらしいコンセプトですが、あくまで県内が中心。高知県経済の活性化のためには、県外から収益を上げていかなければなりません。
 県外で戦えるようなエコ住宅とはどんなものなのか。しっかりとしたコンセプトを作って事業化していく考えです。VOC(揮発性有機化合物)対策や自然素材の建材開発、太陽光の利用、工期短縮、地震対策など、人と環境にやさしいスペックで、低コストを実現するシステムの開発を目指します。


事業として成り立つ、実現性を重視した取り組みですね。
 多くの社会活動には、現実的に課題を解決していくということが欠けていると私は感じています。会議をしたり、シンポジウムをしたり、報告書や企画書はできても、社会的なシステムとして動いているかというと非常に疑問です。
 これからの高知エコデザイン協議会が、会員に、地域に求められる存在となるには、一つの理念を社会的な実態に落とし込んで、現状が少しでも変化し、定量的に何かが良くしていかなければなりません。いつまでに解決していくという姿勢も必要でしょう。
 そうして結果を出すことこそが協議会の存在意義だと考えています。

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