|
現在位置:トップページ>プライムパーソン>鈴木秀司さん
体育の家庭教師スポーツマックス代表 鈴木秀司さん(32歳)
「スポーツで人は変わる。」

体育の家庭教師という存在をご存じだろうか。運動の苦手な子どもたちに体育の個別指導を行う新しくてユニークなビジネスだ。昨年、高知市内でも体育の家庭教師を開始した人物がいる。棒高跳び元日本選手権覇者で、県記録保持者でもある鈴木秀司氏(スポーツマックス代表)だ。 鈴木氏は、日本大学経済学部卒業後、三英社(実業団)を経て97年から入交産業に在籍。その後、日高養護学校に勤務し、03年に現役引退。そして昨年、体育の家庭教師スポーツマックスを設立した。スポーツの楽しさや素晴らしさを伝えながら、子どもたちの体力づくりをサポート。運動を通じて子どもたちの可能性を広げる活動を行っている。トップアスリートの起業秘話をうかがった。
97年、現役時代に高知に来られたわけですが、そのいきさつは?
棒高跳びというのは、きちんとした施設も必要だし、バーを掛けたり踏切の確認をお願いしたりと、一人でできるものではないんですね。環境が整っていないと結構大変な競技なんです。私の場合、高校も含めて日本大学、実業団と非常に恵まれた環境で競技をさせていただいておりました。
しかし、人間その環境に慣れてしまうと、違うものが欲しくなるもので、特に記録が低迷していたわけでもありませんでしたが、恵まれた環境よりも、ハングリー精神をもって闘ってみたいと思ったんです。
求めたハングリー精神は手に入った?
施設を使わせてもらうことから始まって、練習は一人きり。それまで考えてこなかったようなことも、一つ一つ考えてやらなければならなくなった。もちろん、言い訳などできない状況。でもすべてが自己責任という点では、シンプルで分かりやすくなりましたね。集中できたと思います。4ヵ月目には自己新記録をマークしていました。高知に来て良かったと思いましたね。
実績から見て、指導者や教師の道へ進むのが一般的なのでは?
僕の周りもほとんどが教師になったし、そうすべきだとも言われていました。あまりに、みんながそう言うので、絶対に嫌だと思った(笑)。当たり前すぎてつまらないでしょ。人と違ったことがやりたいと思ったんです。
それでも、やはり教師としての経験も積んでおくべきではないかと考え、お世話になった入交産業を辞め、日高養護学校に勤務させていただきました。
教育の現場で感じたことが今のビジネスに通じている?
実は、養護学校と聞いた時に「行きたくない」と思ったんですね。私自身の認識不足も感じましたし、陸上を教えたかったという思いもありましたから。断るつもりで訪ねたら、校長先生がとてもいい人で・・・。いつの間か、「頑張ります」って言ってました(笑)。
そうしたら、そこの子どもたちが何をするにも一生懸命なんですね。すごく簡単なことでも一生懸命にやる。それを見ていたら、何だか僕らの方が手を抜いているように思えた。もっとがんばらなければと。
そんな中での引退。自分にできることが必ず何かあると感じていました。
なぜ、体育の家庭教師だったのですか?
実は教員としての2年間を終えた時、雑貨屋をやろうと考えていたんですが、ちょっと難しそうだったのですぐに諦めました(笑)。
東京で体育の家庭教師があるのは知っていたので、その高知支店をと考えたんですが、こういう性格なので、自分やったほうがおもしろいんじゃないかと。 2ヵ月程度の準備期間で立ち上げました。やはりスポーツに携わっていたかった。養護学校の生徒たちと一生懸命になってがんばった経験も背中を押してくれました。
具体的にどんな指導をされるのですか?
指導するという感覚ではないですね。一緒に遊ぶといった方が近いかもしれません。教科書に載っているようなことではなく、私自身が今まで数多くやってきた練習の中で学んだ経験に照らし合わせてプログラムを作っています。いわば、子どもたちが自発的に体を動かしたくなるプログラム。
体育の家庭教師というと、ガチガチのイメージを持たれている方が多いようです。逆上がりができないと、鉄棒ばかりをひたすら指導するといった。
僕らがやっていることは一種の遊び。遊んでいるうちに逆上がりができちゃったというやり方なんです。厳しく指導するだけでは、子どもたちの負担になって、運動嫌いになってしまう。まず遊びを通して、自分をコントロールできる力を身につけてもらいます。遊びだからこそ、一生懸命やれるんです。
小さな子なりに一生懸命頑張っていることを、大人が精一杯手伝ってあげることが大切だと思っています。
1年以上やってみての手応えは?
会員としての生徒数は100名を超えました。単発で運動教室などもやっていますので、接した人数でいえば、1000人を超えていると思います。最近は保育園の先生に教えてほしいとか、イベントでの運動教室なども増えてきており、多くの皆さまに支えられながら、とても手応えを感じています。
何より、参加してくれた子どもたちの表情がどんどん変わっていく。それが一番うれしいですね。
子どもたちは、小さな「できた」を繰り返すことにより、いつの間にか自分に自信を持つことができるようになります。それが、勉強でも、音楽でも、スポーツでも。私は、スポーツで人は変われると信じています。
∧ページTOPへ 記事一覧へ>
|