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財団法人 高知県観光コンベンション協会 会長 岡内啓明さん(59歳)

「花・人・土佐であい博」が高知観光発展の鍵
「土佐人気質」を全国に売り込め!

昨年4月、県観光コンベンション協会を辞任した橋本大二郎前知事。その後任として、民間から登用されたのが岡内啓明さんだ。岡内さんはNPO法人「高知の食を考える会」会長として、また土佐経済同友会観光振興委員長として、観光イベント「土佐のおきゃく」をプロデュース。平成18年から2回開催され、20年度もほぼ準備は完了。高知の春を代表する食のイベントとして定着させた実績を持つ。
3月から1年間にわたって県内全域で開かれる観光イベント「花・人・土佐であい博」も間近。イベント成功に向けて、協会の役割も一層重くなる。民間ならではの発想と手法が、いかに協会を活性化させるのか。岡内さんの手腕が問われている。


フランクで親しみやすい
土佐人の気質。
これこそが観光の宝になる。



大きなうねりを作り出せる
組織づくりを目指す




会長就任から9カ月の感想は?

協会の職員は実によく働いています。それぞれの観光現場で、懸命に努力しています。観光業界のプロとしての意識も高い。しかし、私が驚いたことは、県民の皆さんや観光業界にそれがあまり伝わっていないということです。本当に努力しているのに生きていない。それを生かすことが私の仕事だと思っています。


観光コンベンション協会はどのような役割を担っているのですか?

県の観光現場の中で、観光誘客をいかに効果的に図るかが最大の使命です。
当協会は県の外郭団体として、その助成金で過半を運営しています。高知県観光部との役割分担と連動を明確にし、県は観光政策の策定を重点に、私たちはそれを速やかに実行することが役割だと考えます。
同時に各市町村の観光課や観光協会、関連業界との連携が不可欠であり、ネットワークを生かした効果的な流れをつくっていくことが大切です。


職員の努力が成果として生かしきれていない原因はどこにあるのでしょう。

まずはコミュニケーション不足が原因と考えています。対外的にも対内的にもそうした要素があり、動き自体を伝えきれていない。例えば、プロ野球のキャンプにしろプロゴルフ大会の開催にしろ、協会が助成し、県としても支援をして、観光誘客に大きな効果を上げています。しかし、その恩恵を受けていると感じる市町村や住民がどれほどいるのか。発信の仕方も下手だし、コミュニケーション不足を感じます。


考えている解決策は?

一にも二にもフランクなコミュニケーションです。そして心の共感をベースにした連動が必要です。まだまだ過去の慣習や縦割り行政的要素もあり、それぞれの部や個々が自分の仕事に埋没してしまっているケースも目に付きます。一生懸命仕事をしていても、ばらばらでは本当の力になりません。組織力を生かし、観光関連現場と連動しながら全体で大きなうねりを作らなければ、思うような効果は上がりません。
そのためには、高知県観光ビジョンを完全に共有し、県内全域の観光業界とベクトルを合わせながら一歩一歩山を登って行けるような体制を整備したいと考えています。現在は徐々に対話や連携が深まっています。その成果をもとに、さらに具体的な結果を出し、成功体験を通して観光促進を図りたいと考えます。




高知観光のこれからの
可能性に光、「であい博」



いよいよ3月から「花・人・土佐であい博」が開幕します。


「花・人・土佐であい博」は、高知県の観光ビジョンの実践のために行うスーパーイベントです。地域を支援し、地域を磨き、地域自らに輝いてもらおうという考え方のもと、土佐人の気質や生活そのものを、将来的な観光資源にしていこうというものです。「体験型観光」をキーワードに、いろいろなメニューを提示し、観光客にチョイスしてもらって土佐に浸ってもらう、高知全域をパビリオンと位置づけたイベントです。
それぞれの地域にある文化や生活を観光の「売り」にしようという、将来的な観光資源の開発も含めたステップなのです。
「博」という名前は付いていますが、従来の博覧会とは違うものですから、どうも事業概要をなかなか理解していただけません。「博」という言葉が持つイメージとのギャップがある。特に昨年まで「土佐二十四万石博」を行っていたこともあり、博覧会のイメージが強い。今後は、県内外へ「であい博」の趣旨や内容の告知を積極的に進める方針です 。東京や大阪などの、大きな観光マーケットへの積極的な売り込みも計画中です。


そのなかで観光コンベンション協会の果たす役割は?

効果的な観光誘客を図るために、個々の地域やイベントを線で結び、旅行のセットメニューとしてモデルプラン化し、県外発信することが有効だと考えています。協会としては旅行業の資格を活用し、メニューを組んでいる最中です。ただ、初めての試みなので少し時間がかかっています。同時に県観光部とのより密着した連動を通し、一つひとつのイベントや地域が来年度以降も生きるように努力しなければなりません。


開幕は間近に迫っていますが。

あせって適当なものをつくるより、現場にその気になってもらうことが大切です。現場の中で観光を育てることを楽しみ、確信を持って進めることこそ重要。
今回の「花・人・土佐であい博」は一過性のイベントではありません。県観光ビジョンを実践するためのステップの一つ。将来の観光モデルを作り上げていくことが目的です。そのためにも、納得のいくプランを作り上げなければなりません。土佐人の生活そのものを観光資源とした、他の地方にはない魅力的なプランニングのためには、あせりは禁物です。


開催に先立ってプレ・イベントが行われていますが、評判はいかがでしたか?

告知が不十分と行った不備な点もありましたが、全般的には好評でした。一つには、食。海、山、川の食材が豊富で、なおかつヘルシーな料理が味わえる地方は少ないと思います。加えて、高知の県民性が面白い。ある一線を越えたら、極めてフランクで親しみやすい気質で接する県民はいません。その裸の良さを本当に堪能していただける。
ただ反面、観光客にはぶっきらぼうに感じてしまう場合もある。それは協会が過去、観光客に対して行ったアンケート調査でも明らかです。トータルでの満足度は高いが、接客面に難がある。気質を押し殺してしまう必要はありません。ただ、「素朴でぶっきらぼうでもかまわん。でも、ちったぁ『いらっしゃいませ』ぐらいは言いや」というところでしょう。それだけで第一印象は変わりますから。




都会人の憧れは
田舎の日常にこそある



土佐人の気質を売り込むということですが、どのようなものが観光資源になるのですか?


地域がこれまでにやってきたことの掘り起こしです。それぞれの地域の伝統や文化、祭りなどに光るものがある。しかし、なかなか表に出ていなかった。ブラッシュアップして事業化することで、すばらしい観光資源になる。地元に埋没していると、「これでえい」とそこで終わってしまう。岡目八目で、第三者的な視点から手を加えればより輝きを増すことができる。
各地域の人たちは、自分たちの価値やすばらしさをややもすると認識していない。しかし、都会の人たちから見たら、非日常性が体験できるすばらしい旅行先なんです。いい例が、土佐清水市の窪津漁協が行った慶應幼稚舎の修学旅行の受け入れです。定置網漁や新鮮な魚料理は、地元の人にとっては当たり前の日常。しかし、都会っ子たちにとっては忘れられない感動的な体験になったのです。私たちは、自分たちの足元の価値をもう一度見直すべきです。
高知県は観光だけでなく、あらゆる分野で「日本一の田舎」を目指すべきだと思います。もちろんそのためには、日本や世界のさまざまな地域のことを知らなければいけませんが、中途半端に迎合し、真似て都会化するのではなく、「田舎者の中の最高の田舎者」になれれば、都会でも世界にでも十分太刀打ちできると思っています。


そのような考え方はいつ、どのように生まれたのですか。

私の血肉の中にもともとあります(笑)。私は土佐人そのものですが、土佐人の血肉は『よさこい節』に凝縮されています。「ゆうたちいかんちや」は、人の意見を寄せ付けない熱烈な郷土愛。「おらんくの池にゃ、潮吹く魚が泳ぎよる」は気宇壮大で少し誇大妄想。そして「坊さんが、かんざし買う」という自由さ。この3本立てが土佐人の血肉であり、私の中にも脈々と流れていると思います。実は小学2年生のとき、授業で桂浜の龍馬像の写生に行きました。私は龍馬になったつもりで、太平洋を見下ろす像を後ろから描きました。「坂本龍馬先生の顔を描かんか。お前は馬鹿か」と教師にはしかられましたが、私は今でも「何が悪けりゃあ」と思っています。こんな反骨精神も土佐人気質です。陽気で明るいラテン的風土とこの気質こそ、全国的にもまれで、誇るべきものだと思っています。


「であい博」後も見据えて、これからの会長としての目標を教えてください。

会長の任期は1期2年なのですが、私は任期半ばでの就任ですので、今年、再就任にはご理解を得なければなりません。それで、あえて将来的な目標を話すならば、県の観光ビジョンの具現化が目標です。同時に土佐人の生活や文化や人間性を、いかに、どのように都会に向けて発信し、観光誘客に結びつけるかが課題だと考えています。協会職員の皆さんには私の考えをご理解いただき、彼らの力量をさらに発揮し、自信に満ちた観光コンベンション協会をつくり上げていきたいと思います。

※宿毛市出身のタレント間寛平さんを起用したテレビCMと告示ポスターを制作。CMは県内や四国各県、関西等で放送予定。




岡内啓明(おかうちひろあき)
昭和23年 高知県生まれ。
昭和48年 獨協大学経済学部経営学科卒業
昭和51年 株式会社丸三入社
平成6年 株式会社丸三 代表取締役就任(〜現在)
平成18年 土佐経済同友会代表幹事(〜2009年)
NPO法人高知の食を考える会会長(〜現在)
平成19年 財団法人高知県観光コンベンション協会会長


財団法人高知県観光コンベンション協会
高知市駅前町3-20ジブラルタ生命高知ビル1F
TEL 088-823-1434

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