|
現在位置:トップページ>注目企業>協同組合編 土佐れいほく農業協同組合
協同組合編 土佐れいほく農業協同組合
協同組合編 土佐れいほく農業協同組合

四国の中央部、高知県の嶺北地域において営農支援や加工品販売などを行う土佐れいほく農業協同組合。四国の水瓶「早明浦ダム」を持つ、清流吉野川の源流域という恵まれた自然環境を背景に、環境保全型農業を積極的に展開し、「れいほく八菜」をはじめとする「れいほく」ブランドを確立。2005年からは、質の高いユズを使った加工品販売にも力を注いでおり、大きな成果を上げつつある。
「環境」という付加価値が生み出した野菜のブランド「れいほく八菜」
嶺北地域では、生産者、行政、土佐れいほく農業協同組合などが一体となって「消費者に選ばれる産地」を目指し、「安全・安心」に対して付加価値をつけた減農薬野菜や、牛ふん・生ゴミ等の地域資源循環など、環境に負荷をかけない環境保全型農業を推進してきた。
平成13年には「環境」をテーマに嶺北地域農村活性化大会を開催。地域資源の循環や環境保全について、生産者、農協、5ヵ町村(本川村・大川村・土佐町・本山町・大豊町)による「地域宣言」が行われ、環境への取り組みは一気に加速。
さらに、こうした環境保全型農業で、できるだけ農薬を使わずに栽培された野菜(主要野菜8品目)を八菜と名付け、「れいほく八菜」ブランドとして、積極的な販促活動を開始。
その後、野菜以外の農作物についてもブランド化を目指し、「れいほく八○(はちまる)構想」を立ち上げた。
これは、「れいほく八菜」に続けと、「八」のあとに農産物をはじめとする地域資源を入れることで、統一したブランドイメージを醸成していく販売戦略で、花き園芸を「れいほく八花」、ユズ、桃、ゼンマイなどを「れいほく八恵」、稲作を「れいほく八稲」、山野草による鉢や盆栽などを「れいほく八草」、手作りの農産加工品を「れいほく八里」、直販産品を「れいほく八直」とした。
この構想は、同組合が中心となりながら、地域全体へと拡大している。
環境保全型農業の先進地に
環境に配慮した取り組みは生産者全体へと広がっていく中で、「れいほく八菜」を展開する同組合園芸部ISO部会は、平成14年にISO14001を取得。環境保全型農業の先進地へと大きな一歩を踏み出した。
そして、こうした環境保全型農業への取り組みが認められ、同14年、第8回環境保全型農業コンクールにおいて農林水産大臣の大賞を受賞、18年には第35回日本農業大賞を受賞した。
さらには、平成18年度※過疎地域自立活性化優良事例表彰においても、全国過疎地域自立促進連盟会長賞を受賞。全国の町や村など行政関連の取り組みに混じって、経済団体であるJAとして全国で初めての受賞となった。
表彰では、同組合の一連の取り組みが第一次産業の振興だけでなく、地域の環境意識を高めると共に食農教育や地産地消に貢献しており、さらに地域の活性化にも大きく貢献していることが高く評価された。
「生産者の皆さんも、自分の所得につながっているということだけでなく、社会貢献や地域振興に役立っていることを誇りに思っています。生産者自らが食育の活動や出前教育にも積極的に取り組み、後継者づくりにもつながっています。また、IターンやUターンも順調に進み、多くの視察があるなど、環境保全型農業においての全国のトップランナーでいることが大きな成果となっています。今後もこれをさらに発展させていかなければなりません」(土佐れいほく農業協同組合 西村行雄代表理事組合長)。
現在同組合では、園芸部ISO部会に続いてJA全体でのISO14001の認証取得を目指しており、今年度中には実現する。
ユズ製品の販売で、さらなる躍進を目指す
減農薬・環境保全型農業によって生産者に「誇り」や「豊かさ」を提供してきた同組合が次に目指すのは、収入としての「豊かさ」だ。「生産者の農産物に付加価値を付けて消費者に届け、販路を拡大することで、さらに生産者から高く買うことができる。生産者の所得を安定させるために、付加価値をつける仕組みの一つとして、現在、JAの加工・販売に力を注いでいます」(西村組合長)
その先発隊となったのが、「れいほく八恵」の中でも柱となっているユズだ。嶺北地域のユズは東京築地市場でも○豊(まるとよ)として評価の高いブランドだったが、生産者の高齢化などの労力不足などで、規格外の搾汁用のユズの出荷の割合が増加していたこともあり、平成14年、無農薬ユズ部会を発足。翌15 年10月には高知県無農薬農産物の認証を取得し、その果汁を用いた加工品の販売を開始した。
そして17年、搾汁用ユズの出荷量の増加と食の安心・安全に対応するため、ユズ加工施設を新たに整備。搾汁能力の向上と衛生管理を徹底し、加工品の量産も可能となった。また合わせて加工販売課を設置し、ユズ製品の商品開発と販売活動を積極化した。
好調な売れ行き
加工販売課設置後の初年度となった平成18年度。新商品などのPRも積極的に行い、夏のお中元商戦は出遅れながらも目標の売上を達成。先日のお歳暮商戦の段階で初年度の目標へと届く勢いを見せた。「ユズの質ではどこにも負けない自負がある。そのユズを加工品にすることで、味わいの豊かな商品を開発することができた。現在16アイテムある商品をさらに拡大しながら、さらに消費者の皆さんに触れていただく機会も増やしていきます。現状での認知度はまだまだ低いが、積極的にPRしながら、高知を代表するユズ製品に育てていきたいと考えています」(営農経済部加工販売課 三谷賀彦課長)。
「JA馬路村」というガリバーがいる高知のユズ商品市場。それに追随するブランドとしてのポジションを狙う同組合のユズ製品の大きな魅力は、嶺北地域という豊かな自然と美しい水によって育まれたユズ玉そのものの質の高さ。
そして何より、同組合と生産者が環境保全型農業によって地域の美しい自然を守りながら生み出しているユズであるというところだ。
同組合では、今後もユズ製品の販売を拡大しながら、「れいほく八菜」の野菜などを使った新たな加工品の開発へとつないでいく考えだ。
平成13年の「地域宣言」からわずか数年間で環境保全型農業の先進地といわれるまでになった嶺北地域。その原動力となったのは、まぎれもなく土佐れいほく農業協同組合だ。この取り組みは、地域全体を巻き込むことで、大きな推進力を得た。JAのためのJAではなく、生産者と地域全体を豊かにしたいという発想が、大きな成果につながったといえる。徐々にファンを獲得し始めたユズ製品も含めて、今後も注目したい。
※過疎地域自立活性化優良事例表彰
過疎地域における高齢化の進行、人口流出による産業の停滞や生活基盤の格差といった課題に取り組み、創意工夫によって活性化が図られている優良事例について表彰することで、過疎地域の自立と風格の醸成を目指そうという制度。
∧ページTOPへ 記事一覧へ>
|