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南国オフィスパークの魅力と可能性を考える

立地戦略で飛躍を目指せ!

2005年夏号掲載
 分譲から9年目を迎え、徐々に産業拠点としての街並みが形成されていく南国オフィスパーク。県内産業の活性化と高度化を担う情報産業の集積拠点として、大きな期待が寄せられている。この特集では、行政の立場から高知県知事の橋本大二郎氏、地域金融機関であり立地企業でもある四国銀行から取締役会長の濱田松一氏、誘致活動を行う(独)中小企業基盤整備機構から四国支部長の八田信行氏に、企業誘致施策など県産業活性化への取り組みや、南国オフィスパークの存在価値、魅力などについて語っていただいた。


 南国オフィスパークの分譲事業も後半戦となって、さらなる企業誘致が期待されるところですが、企業誘致施策は県産業の活性化を考える上で大きな柱となっていると思います。


平成17年度の産業活性化への取り組みについて全体像をお聞かせください。


橋本氏----
 高知県は、二次産業が非常に弱い県でありますので、やはりこれまでに引き続き、企業の持つ技術力や大学などの知的資源を核とした競争力を強化しながら、新しい産業の創出に力を入れていかなければなりません。
 具体的には、平成14年から高知県地域結集型共同研究事業ということで、高知工科大学と民間企業、県の関係機関が集まって、新産業の創造に取り組んでいます。そこで生まれたシーズを生かし、オンリーワンの技術を持った企業を育成していきたいと考えています。
 観光の分野では、地域の代表者や観光産業に関係する方々に参加をいただいて、観光ビジョンづくりを進めています。このビジョンが目指しますものは、県民誰もが観光振興の担い手だという気持ちを持っていただくことで、それぞれの地域を個性のある観光地として再発見することですので、これをもとに、関係の団体とも一層連携を強めながら観光客の誘致とそのための受け皿づくりを進めていきます。
 地域資源を活用した新しい産業として育っています室戸海洋深層水産業については、新たな商品化の素材として開発したミネラル調製液や粉末化したミネラルトレハロースの供給がまもなく始まります。また、来春にはタラソテラピー施設が室戸市にオープンし、海洋深層水の健康分野での利活用も始まります。この施設を利活用して、深層水産業や観光産業の振興を行っていきます。
 それから高知県は、有効求人倍率が0.4倍程度で推移しており、四国の中でも非常に低い数値となっています。特に若年者の就職率が低いことから、新しい取り組みについても来年度の予算に入れております。
 具体的には民間が培ってこられたノウハウを活用しながら、就職に必要な基礎能力を身につけるための研修から職業紹介まで一連の支援を行い、若年層の就業意欲の向上と雇用のミスマッチを解消していく考えです。
 また、働く場として、全国的に広がりを見せているコールセンターの誘致についても、高知市と支援制度を拡充しました。これは、全国トップクラスの支援制度と言ってもいい。(コールセンターの)誘致につながれば、大きな雇用の場になると見ています。


コールセンター誘致のお話が出ましたが、それも含めて企業誘致施策についてもう少し詳しく教えていただけないでしょうか。


橋本氏----
 平成15年の製造品出荷額では、主要な誘致企業が県全体の約3割を占めており、このことからも企業誘致は雇用や税収の面で地域経済への波及効果がきわめて大きいと言えます。財政状況が厳しい中でも、企業立地促進事業費補助金として誘致企業に対する初期投資の軽減策や助成制度は継続し、他県との競争にもうち勝っていきたいと考えています。
 また、高知工科大学との連携を図り、先端技術・研究開発型企業を誘致することにより、本県産業を先導するとともに県経済の活性化を図っていく考えです。大学の教授陣は、5割くらいが民間企業の出身者。民間との連携による共同研究を口火に、新産業を創出し、特に二次産業の活性化につなげていきたいところですね。
 それから先程も申し上げましたが、民間の経済研究所の調査によりますと市場規模約3、200億円、前年比5%増となっているコールセンターについても、新産業の創出と雇用情勢の改善という面から力を注いでいきたいと考えています。


もちろん、後半戦となった南国オフィスパークへの企業誘致も重要な課題ですね。


橋本氏----
 近年の地方を取り巻く環境は、都市圏への人口の集中が進む中で、魅力ある就業機会や都市機能の不足などにより、若い方々を中心とした人口減少が依然として続き、非常に厳しい状況にあります。こういった背景の中で若者の定住を図り、ゆとりと豊かさを備えた個性ある新産業文化拠点を形成するため、中小企業基盤整備機構・県・南国市が一体となって南国オフィスパークや中核施設である南国オフィスパークセンターを整備し、企業誘致に取り組んできました。
 これまでに60%以上を分譲し、四国銀行のデータセンターや情報関連産業大手である富士通の「高知富士通テクノポート」などに進出していただき、県産業の情報化、県経済の活性化の鍵を握る産業拠点として非常に重要な存在となっています。


誘致活動では、(独)中小企業基盤整備機構が重要な役割を担っていることと思います。昨年は組織の変更もありましたが、どういった活動をされているのでしょう。


八田氏----
 昨年の7月1日、中小企業総合事業団、地域振興整備公団、産業基盤整備基金の3法人の事業を統合して新たに「独立行政法人中小企業基盤整備機構」が発足しました。当機構では、お客様重視・現場重視という観点から9つの支部を開設し、企業と地域経済との接点を拡大しております。「中小企業と地域振興をもっとサポート」をキャッチフレーズに、3法人に蓄積されてきたノウハウを融合させた質の高いサービスで、これまで以上に地域に密着し地域の産業振興に関わることで、地元経済の発展をトータルにサポートすることを目指しています。
 四国地域においても香川県高松市に支部を置き、南国オフィスパークに事務所を配置しました。これにより、さらに県内企業の皆様のお近くで産業振興をお手伝いすることはもちろん、県、市、商工団体、あるいは大学、企業との連携も強化していかなければならないと考えています。
 また、地域企業の皆様にとっては、いろんな支援施策があり多岐にわたっていることから、理解しづらいという声も聞きます。支援施策を有効に、適切に活用していただくためにも、お客様のニーズ、地域の実態に合わせたきめ細かいサービスを行っていかなければならないと考えております。


誘致活動による県外企業の進出について、地元銀行としてはどうお考えですか。


濱田氏----
 県外から企業進出が盛んになれば、県内産業の振興にもなりますし、地域経済全体の活性化につながるものだと考えます。地元銀行としても、県などが行う企業誘致活動にはとても期待しています。また、その他多くの産業振興策についてもできるかぎり協力していきたいと考えています。例えば、昨年1月に設立したベンチャーファンドや、経営情報・ビジネスマッチング情報の提供、経営改善支援の取り組みなどがそうです。


分譲から9年を経て、産業拠点としての機能が非常に高まってきました。立地企業にとっての南国オフィスパークの魅力とは?


八田氏----
 南国オフィスパークは高知自動車道南国インターチェンジに500mと近接し、高知市中心部や高知龍馬空港が30分圏内と交通アクセスに大変恵まれています。一方で、中央に領石川が流れ、自然に恵まれた環境で夏には蛍も舞い、ホタル祭りも開かれます。オフィスで働く方々にとっては申し分ない環境ではないでしょうか。また、この地域は地盤が良く、内陸にあることから地震や津波の際でも安全な土地と言えるのではないでしょうか。


四国銀行も事務センターを南国オフィスパークへ立地されていますね。


濱田氏----
 用地取得は平成7年です。当時、電算システムと事務の集中センターが4箇所に分散しており、ロスがある上、手狭になっていたこともあり、新たな事務センターの設置を検討していました。
 南国オフィスパークは高知市中心部に近く、交通アクセスに優れており、またコスト的にも安価で基盤となる情報インフラも整備されていたことから、将来の業務拡大に対応し、電算事務処理業務の拡大を見据えて立地を決定しました。


情報の集積する場として、災害への対策も配慮されたとか。


濱田氏----
 南国オフィスパークの地盤の強さや災害時の安全性の高さも重要な要素だったと思います。加えて当事務センターは、阪神大震災の教訓を生かして耐震構造、免震床を採用し、南海大地震に備えて非常に強固な建物となっていますので、お客様の重要な情報は、オンライン上はもちろん、物理的にも大切に守られています。


実際にオフィスパークで操業されて8年、どんな感想をお持ちですか。


濱田氏----
 自然環境に非常に恵まれているので、職場環境としては抜群だと感じています。八田支部長もメリットとして上げられていましたが、南国インターチェンジや高知龍馬空港にも近く、(センターは)研修や会議にも利用しています。県外の営業店が4割を占めている当行にとって利用価値は高いですね。
 また、パーク内に立地する企業にご協力いただいている業務もありますし、今後、新たな企業が進出してくることで、さらなるビジネスチャンスが広がっていくのではないかと期待しています。


立地企業間の連携も魅力ですね。


八田氏----
 南国オフィスパークは高知県の情報集積拠点と位置づけられ、高知富士通テクノポートなど情報関連企業が集結しています。これからの情報産業にとっては集積していることそのものも、大きな魅力ではないでしょうか。
 もちろん、情報関連企業だけでなく、今後その他の多くの企業が集積・立地していくことによる企業間の連携やインキュベーション施設との連携も大きな魅力のひとつです。


県としても期待するところですね。


橋本氏----
 新産業の創出や企業誘致によって期待できる大きな要素として雇用の拡大があります。県では産業活性化のため、雇用の拡大を最重要課題として位置づけており、南国オフィスパークは若者の定住を図るという大きな役割を担っています。現在約600人が働く地域の雇用の場となっていますが、今後もより多くの若者にとって魅力があり、本県産業の振興に大きなインパクトを与えることができる産業拠点となることを期待しています。


では県外企業にとって、高知県への立地はどんなメリットをもたらすのでしょうか。


橋本氏----
 まず、産学官の連携体制と情報インフラの充実ではないでしょうか。平成9年度に開学した高知工科大学は進学機会を拡大しただけでなく、県内産業の振興についても大きく貢献しております。ここには、シーズを持った、情報デバイス・基盤技術などの技術や人脈を持つ研究者が多く在籍し、企業が容易に共同研究を実施することができます。
 また、高知県産業振興センターに代表される事業支援機関が多くありますので、地元企業(立地企業)からは、大学や研究機関との協力関係が得やすい手厚い支援が得られるといった声もあります。
 さらに、高知県は大消費地から遠いという地理的ハンディを克服するため、情報化推進事業にも積極的に取り組んでおり、全県的な情報ネットワークである「高知県新情報ハイウェイ」を活用して、企業の情報化についてもバックアップすることが可能です。
 それから、労働力確保の容易さ。県内企業の賃金水準や有効求人倍率の低さは、労働力確保の面では有効にはたらくと見て良いでしょう。
 充実した県の補助金も大きなポイントになるはずです。進出企業に対する補助金等の優遇措置は全国トップクラスです。
 次に上げられるのが、徹底したアフターフォローとワンストップサービスの提供ですね。商工労働部の企業立地課や商工振興課を中心に、情報提供や立地にかかわる各種手続きはもちろんのこと、融資の相談や人材確保などを、ワンストップサービスでお手伝いしています。また、立地後も企業のニーズに対してアフターフォローを徹底しています。
 そして、高知県の自然環境の良さ。高知県は年間平均気温の高さや、日照時間の長さが全国でもトップクラス。日照時間の長さから太陽電池関連の企業が進出した例もあります。
 それにもう一つ。県民性の良さも加えておきたいですね。明るく開放的な風土の土佐からは多くの偉人を輩出しています。明治維新という新しい時代の夜明けには、坂本龍馬やジョン万次郎、岩崎弥太郎らが活躍しました。彼らの気質は今の高知県人にも受け継がれているはず。変革のときに大きな力を発揮するのが高知県人の特質と言っても良いのではないでしょうか。
 高知県は、全国の多種多様な企業の皆様に多くのメリットを提供できる立地だと考えます。


最後にこれから立地を検討される企業に対するメッセージをお願いします。


八田氏----
 橋本知事のお話にもありますように、高知県はこれからの企業にとって多くのメリットを提供できる環境にあります。企業の皆様にとって、立地にかかるコスト以上のものが得られることは間違いないでしょう。
 特に南国オフィスパークについて言えば、分譲価格の見直しを行い、大幅な値下げを実施するなどお求めやすい水準になっています。また、賃貸制度の導入や割賦期間の延長など制度の緩和も行っていますので、ぜひご活用ください。


橋本氏----
 県としても、優遇制度と万全のフォロー体制で、立地企業をバックアップいたします。南国オフィスパークには多くの魅力があふれています。一社でも多くの企業の皆様に高知へ来ていただきたいですね。


(独)中小企業基盤整備機構、県、南国市、そして入居企業によって成熟を見せ始めた南国オフィスパーク。今後さらに多くの企業が立地(入居)していくことで、産業拠点としてのスケールメリットも増大していくだろう。また、企業間のコラボレーションや、大学やインキュべーション施設との連携によって新たなビジネスやプロジェクトグループが形成されることも十分に考えられる。今後の企業誘致活動に大きな期待がかかるところだ。

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