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第20回高知県地場産業大賞発表

第20回高知県地場産業大賞発表

2006年春号掲載

 高知県地場産業大賞は、くろしお博覧会記念基金の運用益を基に毎年、販売実績を残した県内企業の製品や県地場産業振興に貢献した活動を表彰している。今回は応募総数14件を審査委員会が審査。大賞(副賞30万円)が2件と地場産業賞(10万円)が2件、地場産業奨励賞6件が選ばれた。


大賞
廃棄CD(ポリカーボネート)を原料とするリサイクル可能な床材「オーパライト」

株式会社 山崎技研
高知市神田2098
TEL088-832-4108 FAX088-831-2865
http://www.yamasakigiken.co.jp/


 大賞となったのは、株式会社山崎技研の開発した廃棄CDを原料とした床材「オーパライト」。これは、工作機械と水産事業に次ぐ事業の柱にと、同社が平成 13年からCDなどに使われるポリカーボネート廃材を原料とする床材製造に着目し、研究開発の末、事業化に成功したもの。
 この事業を始めるにあたっては、製造のノウハウや材料知識などが不十分な中、開発チームが課題を一つずつ解決し、ようやく塩ビや硬質プラスチックなどの競合商品に勝る競争力のある製品の事業化に成功した。
 「オーパライト」は、プラスチックでありながら従来製品に比べ強い強度の耐摩耗性を持ち、オパールの様な光沢を有し、傷がついても用意に光沢復元ができ、ワックス等のメンテナンスを軽減できる床材で、デザインも受注生産で顧客のコンセプトに応えることができる。
 しかも、原料の94%はリサイクル材であり、製品自体も将来再利用できるため、環境負荷はほぼゼロとなる。現在多く使われているPタイルと呼ばれる塩ビ系のものはリサイクルが困難で、廃材処分が問題になるのに対し、本製品自体がリサイクルの原料となることも高く評価された。
 用途は壁などの装飾用と床用があり、床用は装飾用に比べて耐摩耗性を3倍以上に強化し、高い光沢で対摩耗性に優れ、重圧感のあるインレイド(表面を研磨しても文様が変わらない)構造となっている。


大賞
鮮度保持シート「ととシート」、抗菌・消臭シーツ「よつばシーツ」

くじらハウス株式会社
土佐市新居273-10
TEL&FAX088-856-3333
http://www.kujira-house.com/


 同じく大賞となったのは、くじらハウス株式会社の鮮度保持シート「ととシート」、抗菌・消臭シーツ「よつばシーツ」。これは、食品として安全性が認められている「ブドウ種子ポリフェノール=プロアントシアニジン」「天然の糖質トレハロース」などを調合した水溶液を不織布に塗布・乾燥させた商品。この水溶液は、細菌を入れても死なないが、塗布して乾燥させると強い抗菌性を発揮。昭和大学病院における1000以上の抗菌試験によると、ブドウ状球菌のような球菌、桿菌に対しても99.99%の殺菌・不活性化することが確認され、しかもその抗菌・抗酸化作用は長期間に及ぶ。また、不織布に塗布したことで、使用後は可燃ゴミとして処分することができ、作業の効率化にもつながる上、環境にも良い。
 この不織布を使った鮮度保持向け商品が「ととシート」で、介護用のシーツ向け商品が「よつばシート」、空気清浄機向けのフィルターが「バイオフィルター」だ。
 同社が元高知工科大学の河野教授の指導を受け開発した材料を使い、高知の不織布に高知の紙加工技術で材料を塗布、製品化した商品で中小企業庁が進めるモデル新連携事例にもなっている。現在様々な用途への研究や試作の準備段階となっており、今後の商品化への可能性と合わせて、その取り組みも高く評価された。同社では、より多くの県内企業との連携によって、さらなるビジネスチャンスを広げていく考えだ。


地場産業賞
TNC-S360

株式会社東洋電化工業
高知市萩町2丁目2-25
TEL088-834-4800 FAX088-833-2250
http://www.toyodenka.co.jp/


 中性紙の製造過程で、紙の不透明度・白色度などを向上させるため使用される炭酸カルシウム。地場産業賞を受賞した株式会社東洋電化工業の「TNC− S360」は、これまで粉体もしくは、35%ほどの水分を含んだしめり粉体で使用されていた炭酸カルシウムを、製造過程での効率を高めるためにスラリー(液状)化したものだ。
 スラリー化するにあたって、輸送と貯蔵の観点から、高濃度化することが求められるが、高濃度化と低粘度化という相反する課題を同社独自の技術で克服。含水率40%の高濃度(固形分濃度50%重量以上)で、低粘度を実現した。同様の他社製品はあるが、同社の「TNC−S360」が特に優れているのは粘度が経時変化しないという点。時間が経っても増粘しないため一定期間の保管も可能だ。
 製紙メーカーにとっては、この製品おかげで紙を漉く段階で炭酸カルシウムを水に溶く必要がなく、ムラなく充填できる上、粉も散らず、作業環境も改善される。
 今後中性紙の需要が高まっていくと予想される中で、今後の期待感もあり高知県の豊富な石灰石資源を四国に多い製紙向けの材料開発の取り組みが評価された。


地場産業賞
木製移動式製材機 MIS-8000

株式会益製作所
南国市宍崎308
TEL088-862-2220 FAX088-862-2832
http://masuseisakusyo.com/


 同じく地場産業賞となったのは、株式会社益製作所の移動式製材機「MIS-8000」。第5回高知エコ産業大賞アイデア賞と合わせての受賞となった。
 森林維持にとって大きな課題となっている間伐については、山から製材所まで木材を輸送しなければならず、間伐した木材の価格と間伐に要する経費が折り合わず、間伐が進まない要因の一つになっている。その課題に対し、間伐作業が行われる現地でも設置できる移動式の安価な製材機械ができればと、同社の変速機の設計製作のノウハウを用いて開発したのがこの商品だ。
 構造も簡単で分解すれば50kg以下の部品となり総重量500kgと、軽四トラックが入れるところへは運搬でき、容易に組み立てられ、丸のこを使っているため、付加価値の高い部材を挽ける装置となっている。安全面についても当初から労働基準監督署協議を重ねた上で装置を着装しており、労働安全衛生法適合機となっている。
 発売以来全国から問い合わせがあり、徐々に森林組合などに広がりを見せており、間伐促進機械としての大きな意義が評価された。


地場産業奨励賞
カツオのタタキづくり体験を通した食育・交流事業

黒潮カツオ体験隊
幡多郡黒潮町佐賀黒潮1番地
TEL090-9553-0410(隊長 明神多紀子)


 地域資源で黒潮町(旧佐賀町)の地域活性化を図ろうと平成12年、漁師のおかみさんたちが6名集まり、カツオのタタキづくり体験受け入れの取り組みを進める「黒潮探検隊」を設立。平成15年までは、岸壁の空き地を利用し、手弁当で自分たちが持ち寄ったテントや機材で行っていたが、おかみさんたちのホスピタリティが評判となり、今や体験型修学旅行生22校、3000人をこの町に呼ぶ仕掛けとなっている。
 現在会員も60名近くとなり、黒潮町(旧佐賀町)のカツオのブランド向上や、これを生かした漁家民泊やカツオ一本釣りの体験などの企画案が若者たちから出てくるなど、地域資源を生かした活動はさらに広がりを見せている。


地場産業奨励賞
菜園管理機

「耕太郎」株式会社ササオカ
須崎市浦ノ内立目717
TEL0889-49-0341 FAX0889-49-0744
http://www.inforyoma.or.jp/sasaoka/


 同社が培ってきた農機、草刈機用部品製造の技術を生かし、初めて自社ブランドとして発売した菜園管理機。平成10年に家庭菜園、小規模農園向けの小型管理機(溝上げ、畝立て、除草作業用)として、タナカ工業(本社:習志野市)からOEM生産を手がけ、平成16年からササオカブランドで販売を開始した。
 農業従事者の高齢化が進む中で求められている軽量化を実現するだけでなく、十分なパワーを持ち合わせた小型管理機で、車体バランスも良く、農業のプロから、初心者までユーザーも幅広い。ホームセンターでヒット商品となっていることも評価された。


地場産業奨励賞
鷹取キムチ

鷹取キムチの里作り実行委員会
高岡郡檮原町下折渡210
TEL0889-65-1250

 梼原町初瀬東(鷹取地区)の地域活性化策として生まれた鷹取キムチ。地域住民が主体となり、それまで行ってきた韓国学生との交流をきっかけに本場韓国の調味料を使った本格キムチを製造。量販店での実績など一定の成果を上げている商品だ。
 それまで自家消費用のみだった白菜を、キムチの原料用として価値を高め、町のシルバー人材センターで安定供給できる仕組みを作った。また、毎年韓国において現地研修を行い品質向上と「味」の差異化にも努めている。


地場産業奨励賞
地球にやさしい鋼製型枠専用スリーブ「メタピタスリーブ」

旭環境スポーツ施設株式会社
高知市桟橋通4丁目15-23
TEL088-832-9095 FAX088-837-4600
http://www.asahi-kankyo.com

 高知エコ産業賞の特別賞も受賞している「メタピタスリーブ」。基礎コンクリートを施工する際には、水回りなどの設備のための穴を開けておく必要があり、従来は紙管ボイドが使用されているが、これは一度使用すると廃棄物となる上、設置位置が安定しないという欠点もある。
 これに対し「メタピタスリーブ」は、プラスチック製で、20〜30回繰り返し使用することができる上、ベース部分の強力な磁石によって、鉄製型枠にぴったりと固定され、コンクリート打設時に動くことがなく、鉄筋との距離も正確に保つことが可能だ。誰でも簡単に取り付け、取り外しができ、作業時間の短縮にもつながっているアイデア商品だ。


地場産業奨励賞
四万十こまち食べる豆乳

株式会社カーニバルクッカー
高知市竹島町158-11
TEL088-831-2011 FAX088-831-2074
http://www.soymilk.co.jp

 健康食品として注目されている大豆。そのおいしさと栄養分をあらゆる食品に利用することができるよう、ペースト状にした商品。原料となっているのは、四万十町(旧窪川町)産大豆「四万十こまち」。カーニバルクッカーでは、豆乳、豆乳クリーム、それを使った応用食品(パン粉、ドレッシングなど)を他の食品メーカーとも組み、一連のブランド「四万十こまちブランド」として展開している。
 豆乳クリームを使ったパン粉では吸油率が3割程度減少するデータも得られており、ヘルシーな健康食品として、今後の広がりと可能性が期待されている。


地場産業奨励賞
日本学校農業クラブ「畜産クラブ」の活動

県立幡多農業高等学校「畜産クラブ」
四万十市古津賀3711
TEL0880-34-2166 FAX0880-35-6335

 幡多農業高等学校「畜産クラブ」が同校で年3回(学期ごとに1回)開催されている「はたのう市場」に出店する商品として開発した、「豚みそ“あぐり・ぽるこ”」と「豚まん“トンパオ”」。中でも「豚まん“トンパオ”」は、その商品コンセプトに惚れ込んだ地域の企業が製造技術の移転を要請するほどの商品力があり、平成17年から販売した道の駅ビオス大方では、最大のヒット商品にもなった。
 平成15年度から同クラブの新製品として売り出していた「豚まん“トンパオ”」だが、さらなる「お値うち感のある豚まん」を目指し、味や保存性、大きさ、栄養計算に至るまで徹底的に改良を加え、採算性を意識して原価を抑えることにも成功している。

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