テラムラグループ 代表取締役
寺村 勉さん(47歳)
高知の葬祭サービスに常に刺激を与え、業界のイメージを変えたともいわれるテラムラグループ代表取締役の寺村 勉氏。創業明治33年、木工品(婚礼家具、土葬棺など)製造に始まる同社の四代目として、会社の組織化、CI(コーポレイト・アイデンティティ)導入、葬祭場の開設、新サービスの開発とめまぐるしく同社を成長させてきた。最近では地元土佐山田町の町づくりにも積極的に関わり、氏の発案による「昭和えびす横町」は商店街の新たな魅力を創造している。
あまり勉強好きではありませんでしたね。一言でいえば、やんちゃ。学校もろくに行かずに、『好きなことをやりたい』と、いずれ戻って家を継ぐことを約束して大阪へ。それから住み込みなど、働きながら夜間高校も卒業しました。住み込みで働いていると、いろんな性格の人や、いろんな環境の人に出会って、非常にいい経験になりました。今頑張れるのは、この時代の経験があるからだと思っています。
大阪から京都の葬儀会社へ一旦修行に出て、高知に戻ってからは、社員として入社しました。でも、ろくに学校も出てないでしょ。そこで、夜は土佐簿記(現土佐情報経理専門学校)へ通って簿記を学びました。仕事柄、ポケベルを持って…。よく鳴っては、みんなに迷惑をかけていました(笑)。
京都そのものが、古くから日本の文化の先端で、新しいものを創造しては発信してきたところ。培われてきた歴史が違います。しきたりや文化が息づく葬儀についても、当時から葬祭サービスの先端を行っていて、非常に多くのことを学ぶことができました。」
「ところが、当時の県内の葬祭業界は今とは全然違う、昔ながらの葬儀が中心。実は祭壇を組むなんていうのも、最近になって普及したことなんです。我々の年代も含めて先輩方も、京都や大阪の葬祭業を学ぼうという気運が高まっていましたね。
私の場合、まず着手したのは会社の組織化でした。当時はまだ、従業員5人、6人の家内制工業の状態でした。サービス業として確立されていない。最初は、寺村葬儀社という名刺を見せるのにも抵抗があったんです。これじゃあいかんと、テレビCMを製作しました。葬祭というのは決して目を伏せて通るものではなく、現実のもの。きちんとした質の高いサービスであること、社会に必要とされるサービス業であることを、自らが明確にすることで堂々と名刺が出せるのかなと考えたんです。
目で見て、言葉で、耳で聞いて、口で言える会社の理念というのはとても大切なんです。家内制工業からの脱皮という意味で、CIは必要でした。葬儀屋さんから葬祭サービス業として、認知していただけるように努力してきたつもりです。
高知にはまだ葬祭場が無かったのですが、『心月記』を高知市葛島に作って、それと同時に、その意味合いや存在意義についても発信しました。業界全体が、一般社会の中でできるだけ目線触れないようにしてきたものを、いきなり表へ出してしまったわけですから、大きな刺激になったと思います。
葬祭コンシェルジュは『暮らしの便利屋さん』に近い存在。コンサルタントやコーディネイターは、専門家としてアドバイス・指導するという存在。でも、もうそんな時代じゃない。葬儀というものには、人、家によって千差万別のニーズがあります。葬儀そのものもそうですが、当事者の抱える新たな暮らしの問題解決といったものも、ひとつのニーズ。
家族を失って、新たな暮らしをはじめるにあたってのご苦労もあるでしょう。葬祭コンシェルジュがお手伝いできることは、専門家の目線ではなく、当事者の目線で困っているすべてのこと。まずは、使っていただいて、気軽に相談してもらえる存在でありたいと考えています。
むしろ楽しいですよね。性格的なところもあるかもしれません。次はこれがやりたいとか、次から次に考えてしまうんです。でも、何をやっても常に自分に言い聞かせているんです。『どんなにうまく成功しても、それは70点。だからあと30点は、やれる余地があるはずだ』と。それは、仕事もそうだし、町づくりもそう。苦しいと思ったらやれません。楽しむ姿勢も大切だと考えています。
土佐山田町商店街は、既存店舗は大型郊外店との競争に苦しみ、建物は老朽化、空き店舗も増加しています。しかし今の時代、古い建物を壊して建て替えることは難しいでしょ。だから古いものは古いまま生かしていくという考え方なんです。
これは単なるイベントではなく、町づくり、商店街づくりとして取り組んでいること。大切なのは、商店街はこういうイメージなんだということを確立させていくこと。イメージがあれば、テーマに賛同する人々が集まって来て、町並みというものが自然にできる。昔を懐かしむことをテーマに、町ができ上がっていくんです。夢があると思いませんか?
こうした町づくりを行っていくことで、商店街に訪れる人々は地元の生活者だけではなくなります。既存の店舗にとっては、観光客が新たな販路となるわけです。売っている物は日用品でも、レトロな包装をするなど、パッケージや売り方を工夫することでビジネスチャンスを見いだすこともできるかもしれない。喫茶店のメニューでも、レトロ風にすることで、これまで地元の方しか見向きもしなかったお店が、新しい価値を提供するお店に生まれ変われるかもしれないわけです。」
「今後も、できるだけ定期的に年に何度も開催していきたいですね。本当は、えびす昭和横町が365日開かれていることが目標。これも私自身が楽しんでいることです。
寺村 勉(てらむら つとむ)
昭和32年 香美郡土佐山田町生まれ
昭和53年 近畿大学付属高校(定時制)卒業
平成09年 4月 京都にて葬祭業を学ぶ
昭和56年 寺村葬儀社入社
昭和63年 同社代表取締役就任
平成09年 現在に至る
【団体職務】高知県霊柩自動車協会会長/高知県葬祭業協同組合理事/土佐山田町商工会副会長
テラムラグループ
寺村葬儀社、在宅介護サービスcares(ケアーズ)
住まいの何でも相談室 ルーツテラムラ
本社 土佐山田町西本町2‐2‐20 TEL:0887‐53‐5151