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株式会社太陽 代表取締役社長
土佐経済同友会 代表幹事

久松 朋水さん(55歳)

トラクタや耕耘機用の耕うん爪の製造販売で、全国の40パーセントのシェアを占める(株)太陽。業界のリーディングカンパニーとして、2000種類を超える商品群を製造。製造業が弱いといわれる県内企業の中で、モノ作りの卓越した技術で業績を伸ばしている。同社社長の久松朋水氏は、今年2月に土佐経済同友会代表幹事に就任。経営者として、また公人として多忙を極める毎日だ。

祖父を創業者に持ち、後継者としての自覚は早くから芽生えていましたか。
社長であった父から、特に跡を継ぐことを求められたことはありません。自身が後継者になることをはっきりと自覚したのは大学生のときです。ならばということで卒業後は製造部門を担っていた太陽鍛工(株)に入社しました。平社員からのスタートです。
毎年のように異動があり、製造現場や営業部門などさまざまな部署で仕事を経験できました。特に当社での情報システムの導入時に責任者としてプロジェクトに携わることができたことは、今日の経営にとてもプラスになっています。
ただ私が33歳の昭和61年に父が早世したため、考えていた以上に社長就任の時期が早まりました。同年に、太陽鍛工と販売会社の旧・太陽両社の副社長に就任。そこで父と共に太陽を支えてきた山田通氏・島崎龍昭氏二人の社長の下で厳しく鍛えていただき、平成4年に太陽鍛工の社長に就任しました。
その後、両社が合併して平成9年6月に現在の太陽が誕生します。
これは、平成4年にプロジェクトを立ち上げ、5年かけて当社の中期計画を策定した結果です。
時代のニーズに応えるためには製造・開発・販売を一体化した企業であることが不可欠と考え、太陽鍛工と旧太陽を合併。平成9年に新生太陽としてスタートし、代表取締役社長に就任しました。
新生太陽設立に当たり、「目指せ GoodCompany」をスローガンに掲げましたが、「目指せ…」には「人間性尊重・社会貢献・限りなき前進」というサブタイトルがつきます。この前進こそがスローガンの本質で、”いい会社とは何か“を社員みんなで考え追求し続けることです。常に前に進み続けることができるのが良い企業ではないかと考えています。
当社のような製造業では、単純作業も多々あります。しかし、人間はロボットではない。だからこそ、より良い作業方法を考えることができる。人間性尊重の意味からも、改善の歩みを止めない企業姿勢が大切だと思います。これは開発や営業についても当てはまります。
耕うん爪の業界は現在、どのような状況でしょう。
当社とあと1社で、市場はほぼ寡占状態です。外国産も入ってきてはいますが、品質的に差があり、現在は優位な状況です。しかし製造業の常として、真似されることも考えられます。そこで当社では、パテント(知的所有権)の裏づけのある開発を原点として心がけています。これまでにパテントの申請件数は300を超えました。大手メーカーさんへも製品を納めていますが、パテントは独自のポジションを守ることにもつながっています。
中小企業といえども、開発、営業、販売力物流、製造など総合的な力が必要です。オンライン受注システムも早くから整備してきました。別の言い方をすれば「Q(クオリティ)C(コスト)D(デリバリー)」であり、そのいずれかが欠けても、業界で生き残ることはできません。お客様、消費者との信頼も含め、長年にわたってこれらを積み上げてきた結果が、今日のトップシェアにつながっていると思います。
太陽では耕うん爪のほか、洗浄機や選別機、野菜袋詰め機などアグリ機器関連も商品化しています。また、近年は水浄化システムの開発など、農業分野以外の開発にも取り組んでいらっしゃいます。
耕うん爪は当社の主力であり、大事にしなければならない商品です。ですから、農業分野において耕うん爪の製造販売ではリーディングカンパニーであれ、どこにも負けない企業であることを目指してきました。また、袋詰め機などの調整機器類ではオンリーワン企業として開発を進めてきました。
しかし、需要が伸びている市場ではない。マーケットが縮小傾向にあることははっきりしています。そこで、環境分野として水処理システムを平成11年より販売開始。さらに平成13年にはアクアフュエル(新オイル燃料製造燃焼装置)を開発し、現在、環境事業分野は、水処理とアクアフュエルのシステム販売を行っています。アクアフュエルのひとつである廃食油を燃料にできる「ECOボイラー」は、今年の3月第7回エコ産業大賞を受賞しました。
当社は耕うん爪メーカーのイメージが非常に強いので、環境分野で販売しているシステムプラントを製造できることに驚かれている方もいます。しかし、耕うん爪の製造を行う自社の工場設備はすべて社内で設計・製造し、爪はそのアウトプットです。生産技術、制御技術には長年の経験と施工実績があり、我々にとってプラント開発はなんら抵抗がありませんでした。
環境分野は、環境意識の高まりとともに需要が伸びることは間違いありません。当社の事業も徐々に認知され、引き合いも増えています。今後は環境システムの受注にも力を入れたいと思います。
土佐経済同友会の代表幹事に就任され、ますますお忙しくなったのでは?
経済同友会は提言団体のため、さまざまなジャンルに対して一層の自己研鑽が必要で、勉強が大変です(笑)。
先に同会が、高知県のこれからの活性化のあり方として「日本一の田舎を目指して」という提言を発表しました。高知県が日本一になるための強みを考えた場合、競争力という指標ではなく、お金では買えない新たな価値観を創出するしかありません。環境問題等を考えると本当の意味で心の豊かさを感じられる地域になるために、活動していければと思っています。

久松朋水(ひさまつともみ)

 

〈略  歴〉
昭和28(1953)年7月 高知市生まれ
昭和53(1978)年3月 中央大学経済学部卒業
4月 太陽鍛工(株)入社
昭和59(1984)年8月 太陽鍛工(株)、取締役
昭和60(1985)年5月 旧(株)太陽、取締役
昭和61(1986)年7月 両社、代表取締役副社長
平成4(1992)年8月 太陽鍛工(株)代表取締役社長
平成9(1997)年7月 両社合併により、新(株)太陽代表取締役社長、現在に至る
その他に 土佐倉庫(株)、取締役
日本ブレード(株)(本社・高松市)、代表取締役社長

〈公  職〉
・日本農業機械工業会理事
・四国経済連合会理事
・四国生産性本部理事
・土佐経済同友会代表幹事
・高知県中小企業団体中央会副会長
・高知商工会議所常議員
・高知県経営者協会常任理事 他

 

株式会社太陽
高知市布師田3950
TEL:088-845-1230 http://www.k-taiyo.co.jp/
従業員数・178名

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