TOP > 特集 > 平成19年度(第22回) 高知県地場産業大賞発表

 高知県地場産業大賞は、昭和59年に開催された「くろしお博覧会」余剰金をもとに、昭和60年度に基金(1・2億円)を造成し、その運用益を基に昭和61年から毎年、優秀な県内企業の製品や県地場産業振興に貢献した活動を表彰している。今回は応募総数19 件を審査委員会が審査。大賞(副賞50万円)が1件と地場産業賞(同10 万円)が3件、地場産業奨励賞5件が選ばれた。

 

 

交流拠点施設 道の駅「四万十とおわ」の活用による地域活性化

 株式会社四万十ドラマの「道の駅『四万十とおわ』の活用による地域活性化」活動が第22回の大賞に輝いた。活動としては、初の大賞だ。
 道の駅「四万十とおわ」(四万十町十和川口)は平成19年7月1日にオープン。四万十川の美しい景観を間近に望む絶好のロケーションながら、現実は交通量の非常に少ない国道381号線沿いという、道の駅としては決して絶好とは言い難い立地でもあった。しかし、オープン当初から予想を上回る客足で、わずか7ヵ月間で10万人を突破。初年度の売上も1億の大台に乗せた。 四万十の産品を独自の視点で商品化し販売することで、四万十地域の新たな価値創造に貢献してきた同社。また、会員組織【RIVER】の運営や情報紙の発行など、四万十川の魅力を全国に発信し、田舎と都会を結ぶことで地域の活性化にも取り組んできた。
 道の駅「四万十とおわ」には、自然とともにある豊かな暮らしへの同社の熱い思いが、随所に込められている。
 また同社は、道の駅を単なる通過点ではなく「滞在」「交流」できる「滞流型」施設ととらえ、積極的にイベントを開催。生産者と消費者が、また地域住民と観光客が交流できる施設として、新たな魅力を創出。多くの人々を集客し、地域に大きな活力を与えるまでになった。今後はさらに、新聞(エコ)バッグづくりやマイ箸づくり、お茶摘み体験など、体験メニューを充実させ、「滞流型」の施設であることをより明確にしていく考えだ。
 観光客の目的地として、地域と地域外を結ぶ交流拠点として大きな役割を果たすとともに、経済波及効果が大きく地域への貢献度も高い。また、こうした同社の商品開発や、会員ネットワークを生かした地域づくりの手法は、中山間地域における地域振興のモデルケースとなるものであることから、その取り組みが高く評価された。

株式会社四万十ドラマ
高岡郡四万十町十和川口62-9
TEL.0880-28-5527 通信販売サイト  http://shimanto-tennen.com/

環境対応型硬質地盤(標準)圧入機 サイレントパイラーECO400S

 地盤に押し込まれた杭の引抜抵抗力を利用して、油圧によって次の杭を静荷重で押し込んでいく杭圧入引抜機サイレントパイラー。地場産業賞を受賞したECO400Sは、従来のサイレントパイラーと硬質地盤専用の特殊機クラッシュパイラーの機能を集約。地盤条件や施工環境に応じて、硬質地盤圧入(砂礫、玉石層)、ウォータージェット併用圧入(砂層)、単独圧入(粘土層)といった工法の中から最適な圧入工法を選択し、アタッチメントの交換のみで、それぞれの圧入工法に転換できるため、従来の適用地盤から硬質地盤まで工事適応領域が広がった。性能の向上もさることながら、ユーザーの導入コスト削減にもつながっている。
 また、機体質量の軽減による運搬時の環境負荷の低減や、新世代環境対応型エンジンの採用による徹底した排出ガスのクリーン化、生分解性作動油などの使用といった環境への配慮も万全。
 性能、コスト、環境面で高い競争力があり、県外および海外への販路拡大が期待できるとともに、県内企業に部品加工などが外注されることで地域産業に与える経済効果が大きい点も高く評価された。

 

株式会社技研製作所
高知市布師田3948-1
TEL.088-846-2933 FAX.088-846-2939 http://www.giken.com

Net Reader(ネットリーダー)

 同社は視覚障害者の生活支援、社会参加支援を目的に各種ソフトウェアの開発・販売、アフターサービスを行っており、全国に多くのユーザーを持つ。今回地場産業賞を受賞したのは、WindowsVistaに対応したインターネット読み上げソフトNet Reader。同社が先に開発・販売しているWindowsの操作を音声で案内するスクリーンリーダー「PC-Talker」と連携しながら、視覚に障害があってもホームページを閲覧できる。
 スクリーン上でカーソルを移動させながら、音声だけを頼りに目的の情報を目指す視覚障害者にとって、通常のホームページは不便なレイアウトと言え、マウスやタッチパッドを使わなければ情報を見ることが難しい。Net Readerは、通常のホームページから必要な情報だけを集めて、視覚障害者でも操作しやすく、ソフトが読み上げやすいよう最適化。利用者は十字キーを使って下へ、下へとカーソルを移動させていくだけでページ上のテキストを読み上げていってくれる。独自の検索機能や、視力の弱い人向けに文字を大きくくっきりと表示する拡大表示機能も装備した。
 Vistaもしくはインターネットエクスプローラ7対応のソフトとしては、オンリーワンであり、全国の視覚障害者がインターネットを通じて社会参加していく上でも必要不可欠であることから、社会的な意義が高く評価された。

 

株式会社高知システム開発
高知市吉田町2-23
TEL.088-873-6500 FAX.088-873-6599 http://www.aok-net.com

ルナウィング(歯冠用硬質レジン)

 歯が欠損した場合の修復材料として使われているセラミックス製の義歯。これは、天然歯に近い色調が再現できるうえ、安全性が高く人体にもやさしい素材だが、医療保険の対象外であり、金銭的な負担が大きい。医療保険の対象としては、光硬化性樹脂があるが、セラミックスに比べると色調再現性と耐久性に不安がある。
 そこで歯科用貴金属製造・販売大手の同社では、健康保険適用の有機材料を使用した硬質レジンの開発に平成10年から着手。最先端の技術を導入し、ナノテクノロジーで得られたフィラー(充填剤)を活用することで、歯冠用硬質レジン「ルナウィング」の製品化に成功した。
 「ルナウィング」は、ペースト状のレジン人工歯材で、用途や色の違う100点以上で構成。開発にあたっては、ユーザー(歯科医師、歯科技工士)らの声をもとに試行錯誤と改良を重ね、競合他社に比べ、強度と硬度(耐摩耗性)が高く収縮率も低い(収縮による変形やひび割れが起こりにくい)など、機能性にも優れた製品となった。
 また、臨床現場での術者である歯科医師や歯科技工士が作業しやすい、加工性や色調再現性の高い製品になっている。このほか、患者に対する安全性を第一に考え、生物学試験として国際基準(ISO10993)をクリアすることはもとより、さらに厳しい独自の追加試験も行ってきた。
 18年10月から販売を開始し、その後1年弱で10%近くの驚異的なシェアを獲得しており、その将来性が高く評価された。

 

山本貴金属地金株式会社
香南市香我美町上分字大谷1090-3 (本社:大阪府大阪市天王寺区真田山町3-7)
TEL.0887-55-0120 FAX.0887-55-0053 http://www.yamakin-gold.co.jp/

もったいないから始まった私たちの町おこし 〜地域に広がれ、食育の和〜

 県内では、年間1万5千トンの文旦が生産されているが、加工原料としての流通は少なく、生食用が主流であるため、サイズや形状、傷によって、規格外品として多くが廃棄されている。その量、約5千トン。高知農業では、こうした規格外の文旦に付加価値を付け、学校発の地域特産品として商品化を目指し研究開発を行っている。
 外皮を使ったフレークや、果肉を使ったシロップやピューレ。さらにそれらを原材料に「文旦クッキー」「土佐文旦寒天ゼリー」を商品化。いずれも文旦独特の香りが生きている。特にゼリーは、室戸産の天草を使用し、文旦の果肉や果汁を贅沢に使うなど、こだわりの商品となった。
 また、規格外の文旦を地域おこしにも役立てようと、南国市教育委員会と連携し、食育をテーマに地域の小学校と連携授業も実施している。
 廃棄農産物の有効利用という着眼点と、付加価値を付けようとした取り組み、さらに地域の食育に結び付けている点が評価された。

 

高知県立高知農業高等学校
南国市東崎957-1 TEL.088-863-3155 http://www.kochinet.ed.jp/nogyo-h/

一期一会の「苺氷り」を大月町とともに全国へ

 自家農園で栽培したこだわりのイチゴを、新鮮なまま丸ごと凍らせてその氷を削った、これまでにないかき氷「苺氷り(いちごおり)」。シロップはアレルギー体質の人にも配慮したこだわりのものを使用している。
 「道の駅大月」での委託販売や、町内外から3万人を超える観光客が集まるイベント「コスモスまつり」での販売など、地域の特産品としての認知度を高めてきた。また、県外のイベントに積極的に出店し、消費者とのコミュニケーションを図る中で「苺氷り」とともに大月町の魅力を発信し、PRに成功している。
 同道の駅では平成19年5月から10月の期間に約10,000個、東京原宿スーパーよさこいでは2日間で約4300個を売り上げるなど、その商品力を証明した。
 地域の農産品に工夫を加えて商品化し付加価値を生み出した活動が、今後の地域農業や地域産業のモデルの一つとして評価された。

 

苺氷り本舗株式会社
幡多郡大月町弘見668-2 TEL&FAX.0880-73-0876 http://www.ichigoori.com

タスカルフラワー(光触媒胡蝶蘭) タスカルグリーン(同ベンジャミン)

 造花製造・販売の株式会社岩やが開発した防災グッズ。見た目は美しいインテリア造花だが、鉢の中には防災用品や非常用持ち出しグッズが収納されており、災害時に活躍するというもの。同社の得意分野である造花製造の技術を生かしながら、防災グッズとしての活用を考案したアイデア商品だ。
 インテリアとしても、消臭や抗菌効果のある光触媒加工が施された機能性の高い商品で、災害時には防災グッズを収納してあった鉢部分と、バケツや便座などを組み立てて簡易トイレとして利用できる。
 防災用品や非常用持ち出し袋を常備している家庭が増えている中、実際には置いてある場所を忘れてしまったり、いざという時にすぐに持ち出せない状況になることも考えられる。この商品の場合、インテリアとして目立つ場所に飾っておけるため、すぐに持ち出すことが可能だ。南海地震に備える機運が高まる中、今後、人気商品となる可能性も含めて評価された。

 

株式会社岩や
高岡郡越知町横畠南4137
TEL.0889-26-3444 FAX.0889-26-3335 http://www.iwaya-hp.com

オリジナルはんてん、子供用はんてん

 よさこいの衣装で使われている「はんてん」は、日本古来の染色技術が用いられており、生産期間が長く、限られた工場でしか生産できないため、非常に高価なものであった。
 マシュールでは、企画・製造・販売の一貫体制によって、「はんてん」の短納期、小ロット、多品種生産、低価格化を実現。デジタルプリンターを駆使した、デザイン性の高い商品や和柄を取り入れた斬新なデザイン、企画性の高い商品づくりにも取り組み、よさこい祭りの需要だけでなく、各種のイベントを行う企業や幼稚園、小学校の運動会、老人ホームのイベントのような、行政や企業などが行うPR活動のためのツールとしての用途も広げている。
 厳しい縫製業界の中にあって、全国でも珍しい製販一体のビジネスモデルを確立し、提案型の活動によって新規顧客の獲得へとつなげていく企業姿勢が評価された。

 

株式会社マシュール
宿毛市小深浦714-2
TEL.0880-65-8127 FAX.0880-65-8129 http://www.mashur.com

ステップブリッジ橋(永久橋)

 高知丸高オリジナルの仮桟橋・仮構台工法「SqCピア工法」を応用して開発したステップブリッジ橋が奨励賞を受賞した。「SqCピア工法」とは、下部工の橋脚から立ち上げていく従来の工法とは逆に、敷設していった作業台上から鋼管を圧入しながら前進。後方に橋梁が完成して行くという、いわゆる手延べ工法。架設時の仮道・仮橋を必要としないため、工期の短縮、工費の削減、作業安全性の確保はもちろん、地表での土木工事も最低限で済むため、自然環境への影響も少ない。
 今回同社では、この工法を応用、発展させ、耐久性と耐震性を高めた永久橋を開発。車の通行頻度や道幅が比較的狭く、重量級のトラックなどを通す必要が少ない山間部の道路橋の実情に即した強度と耐久性を持った永久橋として、実用化に成功した(耐震設計レベルは高速道路並み)。
 工期短縮と工事費削減、環境への配慮、中山間地域道路事情の改善への貢献性などが評価された。

 

株式会社高知丸高
高知市薊野南町28-2
TEL.088-845-1510  FAX.088-846-2641 http://www.ko-marutaka.co.jp

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