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伝統的な価値を、普段使いの商品に

有限会社ほにや
泉 真弓さん

 

 和布の伝統的な色や柄、素材を使ったオリジナル和布製品を全国に発信する、有限会社ほにや。「ほにや」とは、相づちをうつときに使う土佐の方言で「本当にそうだね」という言葉。同社では、この言葉の持つ「やさしさ」や「和の粋さ」を表現した個性的な商品づくりを行っており、現在、はりまや町の店舗のほか、三越を中心に全国の百貨店や専門店などでも販売されている。
 伝統とカジュアルを融合させ、「ほにや」という人気ブランドを生み出したのは、同社代表取締役社長の泉 真弓さん。よさこい祭りを支えるキーパーソンとしても知られる存在だ。

 はりまや橋そばにあった呉服屋(既に廃業)に生まれ、京都の美術大学を卒業後、東京暮らしを経て帰郷。高知ではまだ珍しかった雑貨店を始めた。
 商品は、東京から仕入れて販売した。品揃えの質の高さと希少性もあって、人気に。しかし違和感もあった。「すべて東京発信のもの。せっかくなら高知らしいものを発信したい」。
 目をつけたのは子供服。自らも2児の母として奮闘中だった。「丈夫さや機能性が求められる点では、お百姓さんの作業着に近い」と、土佐紬ともんぺ地を使った子供服を作って販売した。これが泉さんの商品づくりの原点。現在は製造していないが、20数年間使われ続けているものもあるという。
 雑貨店を営む中で泉さんが感じていたのは、提供しているものがどんなにおしゃれでも、高知にはそれが納まるべきシーンが用意されていないということ。和風よりも洋風をおしゃれだとする風潮にもなじめなかった。いいものに国境はない。日本のいいものを、世界のいいものと同じステージに上げていかなければ、いずれ暮らしの中から消えてしまう・・・。泉さんは使命感のようなものを感じた。
 「着物の帯にあるきれいな刺繍。こんなにかわいいのに、身につけるのは年に1回程度。着物の場合、かなりがんばらないと、持つことも使うことも難しいのが現実です。技術そのものは、伝統工芸として生き続けていくかもしれません。でも私は、いいものだからこそ暮らしの中で使いたい。美しい和柄、色合いの粋なものを、普通に持ったり、洗濯したり、気負いなく使えるもの(商品)として残していくことが、自分の仕事ではないかと感じた」(泉社長)。伝統とカジュアルが融合した「ほにや」ブランドはこうして生まれた。

 

 同じ頃、よさこい祭りの衣装も手掛けた。泉さんは、和のイメージを大切にしながら、高知の青空にたなびくフラフのイメージを表現した腹掛け・パンツスタイルを採用。よさこいの衣装に新たな風を吹き込んだ。
 一方でその当時、市民と踊り子との距離感が生まれ、イベントやコンテストになりつつあったよさこい祭りに疑問を感じ、91年、自らチームを立ち上げた。今や全国に知られる踊り子隊「ほにや」だ。
 目指したのは、「和」と「粋さ」にこだわり、小さな子どもから年配者まで楽しめて、踊り子と観客が一体となって盛り上がることのできるチーム。こうしたチームづくりは、17年経った今も変わらない。
 「相乗効果を狙って始めたわけではありませんが、『ほっとできる』『みんなが気軽に楽しめる』という点では、商品づくりに通じているし、よさこいから学ぶことはとても多い」と泉さん。

 

 全国展開の足がかりとなったのは、東京・銀座への進出。大手百貨店との取引開始がブランドの信頼と評価を後押しし、全国ブランドへと成長。2004年には、ニューヨークホームテキスタイルショーにおいて、同社の人気商品である「和柄エプロン」がホームアパレル部門の最優秀新商品賞を受賞。そのフィールドは、ついに国境を越えた。
 また今夏、新たにアイスとペットボトルの宇治抹茶も発売。宇治抹茶のペットボトルは、飲む直前に抹茶を混ぜることができる独自の構造で、できたての香りと味が楽しめる。斬新なボトルデザインと、飲む直前に混ぜるという新しい提案が抹茶を飲み慣れない若い世代にも受け、人気を呼んでいる。

 

 よさこいでも、商品づくりでも、伝統的な素晴らしさを今の感性に落とし込んで表現するほにや。根底にある「日本の良さをもっと楽しんでもらいたい」という泉社長のまっすぐな思いが、人気ブランドを支えている。

有限会社ほにや

高知市はりまや町1-11-9 
TEL088-880-0020 FAX088-880-0037 http://www.honiya.com

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