まなぶ・つどう・つながる
元気は土佐のネット寺子屋から
NPO法人とさはちきんねっと 事務局長
坂本真由美さん
デジタルデバイドと呼ばれる、情報機器の使える者と使えない者の情報格差。その解消と地域の人材育成のための支援活動を行う、NPO法人とさはちきんねっと。
広報担当者として、コーディネーターとして活躍する事務局長の坂本真由美さん。マルチに活躍する坂本さんも、かつては専業主婦だった。
遠隔地の消費者に直接モノを売る生産者、自宅に居ながらインターネット上でビジネスをする若者、インターネットを介して仕事をする在宅ワーカーなど、ITの発達は新たなビジネスチャンスやワークスタイルを創出している。
しかし、こうしたITの恩恵を受けている人々はまだごく一部に過ぎず、実際には、スキルや知識、考え方など、人や地域により大きな格差を抱えている。とさはちきんねっとでは、この情報格差を解消し、IT化を背景にした地域興しを目指している。
具体的には、就職を目指す女性や社会にかかわりたいという専業主婦などを対象とした、テレワーカー人材育成講座や、パソコンなどのスキル習得講座、生き方、働き方などの自己実現に向けた講座を県内各地で開催。近年では県や国の行う支援事業も受託するなど、活動の領域は広がっている。
坂本さん自身の仕事は、フリーのWebデザイナー。いわゆるSOHOだ。出身は東京。結婚を機に安芸郡安田町へと移り住んだ。現在も安田町の自宅が活動の拠点だ。
専業主婦から独学での転身。「何かやりたい。でも主人が転勤族だったこともあり、再就職というのは無理があった。おりしもウインドウズ95がヒットした頃。パソコンならどこへ行っても自宅で仕事ができるのでは、と。スキルはなかったが、独学でホームページ作りを始めました」
その後、同団体発足の新聞記事を読み、運営スタッフとなった。「今では、自分の仕事は1割程度。ほとんどがNPOの仕事です。ものすごく勉強になるし、充実している。ホームページ制作の仕事だけでは携わることのなかった企画書作りや、行政の方々をはじめとする多くの方との出会いなど、貴重な経験をさせてもらっています」。8年間のとさはちきんねっとでの仕事は、坂本さんの仕事やスタンスを大きく変えた。
週末の業務や出張も少なくない。在宅でもできるようにと始めた仕事も、現在では様子が違ってしまった。「私の仕事は変化しているが、子どもたちも成長するし、家族の暮らしも変化している。SOHOとしてできることから始めたことが、今につながっていることを実感しています。何より、子どもや夫、夫の両親の応援が一番うれしい」。
「子どもが小さいからとか家庭の理解が得られないからとか、あまり考えすぎずに少し目線を変えることで、やれることはたくさんあると思う。環境はいずれ変わっていくし、今のうちに何かできることが必ずある。何年後かにそれが実を結んで自己実現にもつながっていけば、幸せですよね。そういうお手伝いができればと思っています」。
かつての坂本さんのように「何かやりたい」と思う女性や、仕事を求める人々が家庭や地域で悩んでいる。同じ経験があり、同じ目線で支援活動を行うからこそ、坂本さんの言葉は説得力を持つ。
特定非営利活動法人とさはちきんねっと
高知市桟橋通5-1-56ミナポート2F TEL090-8697-8158(代)
http://tosa8kin.cside.to/