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高知県酒造組合 理事長

高知県酒造組合 理事長

竹村 彰夫さん(65歳)

 2002年、県内の経営者や大学関係者、県関係者ら有志は、宇宙利用による産業振興を目指し、高知県宇宙利用推進協議会(通称てんくろうの会)を発足。その第1号として土佐の地酒に白羽の矢を立てた。「宇宙に行った酒を飲んでみたい」。そんなてんくろうな話がきっかけだった。
 宇宙と土佐酒。一見無縁とも思えるこの2つは、こうして結び付いた。
 はたして土佐酒酵母は宇宙へと旅立ち、10日間の宇宙旅行を経て帰還。
 この宇宙酵母によって世界初の宇宙酒は造られ、2006年4月1日、世界同時に発売。てんくろうな話は、ついに現実となったのである。
 そして今年3月21日、ついに宇宙を旅した酒米を使った宇宙酒が誕生する。発売を前に、前回の県工業技術センター上東治彦さんに引き続いて高知県酒造組合の竹村彰夫理事長に話を聞いた。

ついに本当の意味での宇宙酒の誕生ですね。
 宇宙酒が世に出てから4世代目。今年は酵母だけでなく、米も宇宙を旅して帰ってきた米(を県内で栽培してきたもの)を使って仕込まれています。本当の意味での宇宙酒。一つの銘柄として定着してきた宇宙酒ではありますが、ここでもう一度、その魅力を知ってもらいたいところです。
米の出来がいいと聞いています。
 良かったですね。宇宙米としての最初の年ということで、農家の方々には緊張もありながら一生懸命やっていただきました。また、台風などの災害もなく自然も味方してくれました。スタートとしては本当にすばらしいものになりましたね。
他に大きな特長はありますか?
 これまで宇宙酒の基準は、精米歩合55%以下の純米吟醸に限っていました。付加価値の高いものですので、お値段もそれなりになります。
 しかし宇宙酒=高いという印象を持たれ、消費者から遠い存在になってしまっては意味がありません。そこで、少し価格の安い純米酒も販売することにしました。精米歩合は65%以下。
まずは手に取ってもらうことが重要という考え方ですか?
 宇宙酒の魅力は、味の良さだけでなく夢やロマンを感じることができる酒だということ。日本酒好きにとって吟醸が常にナンバーワンというわけではないし、味は違っても夢やロマンといった魅力は変わらない。
 ただ、価格は抑えられます。消費者にとっては、お試しいただきやすいものになると思います。一人でも多くの方に味わっていただきたいですね。
どの蔵も力作ぞろいですか?
 同じ「土佐宇宙酒」として横並びの銘柄となりますからね、これは緊張します。自ずと力も入る。各蔵とも自信を持って送り出してくるでしょう。また、宇宙酒のおかげで、土佐酒全体の仕上がりも近年非常に良くなってきています。宇宙酒をお試しいただいて、土佐酒、日本酒の味わいや良さを知っていただく、再認識していただければうれしいですね。
ここ数年、焼酎ブームとも言われているが。
 ブームそのものは落ち着いた感もあります。しかしそんな中でも芋焼酎だけは、確実に根強いファンを獲得することができたんじゃないでしょうか。こうした流れは、土佐酒にとってもいいことだと思う。
それはなぜ?
 九州の人気焼酎ブランドは小さな蔵が多く、昔ながらの丁寧で品質本意の酒造りを徹底しています。だからこそ量産はできない。ブームになっても安易な量産をせず、県外や外国から芋を買うことなく地元の芋にこだわってきた。それが、根強いファンを獲得することにつながっている。
 高知県の酒造りも、早くから添加物の少ない本来のお酒の姿で造ろうという流れでやってきました。地元らしさにこだわる旧態依然たる酒造りなんです。芋焼酎の人気は、そういうものづくりが消費者に求められていることを証明していると思う。
 多くの方に、「日本酒が好き」というよりも、産地指定で「土佐酒が好き」となってもらいたい。そういう意味で、高知にしかない宇宙酒は、お試しいただくきっかけになるのではないでしょうか。
組合としての課題は?
 日本酒は「二日酔いがきつい」と、イメージ的に敬遠される場合があります。それは、おいしいから飲み過ぎるということもあるし、最初に飲んだ日本酒がどんなものだったかということもあるでしょう。飲み放題で飲んだ日本酒が、「口に合わなかった」とか「二日酔いになった」といったこともよく聞きます。 
 私たち造り手は「いいお酒を造ればいい」という時代ではなくなった。どんなお酒で、どういう料理との相性が良く、どういう飲み方をするのが好ましいかといったこと伝えていかなければなりません。
 日本酒は他の酒に比べて健康や美容に良いというデータもあります。老化の防止や食欲増進、動脈硬化予防、疲労回復など、適量飲酒がもたらす効果は計り知れません。日本酒造組合中央会では、ホームページやパンフレットなどでこうした健康にまつわる情報や日本酒の上手な飲み方などを積極的に発信しています。
 高知県酒造組合としても、飲み方の提案や土佐酒のいいところ、いいつきあい方を発信していきたい。高知県にはいい食材も多いし、この土地で生まれた酒の良さ、物語を知っていただけるような取り組みを目指しています。

日本酒造組合中央会HP 
http://www.japansake.or.jp/sake/index.html
【掲載日:2009年1月30日】

竹村彰夫(たけむら・あきお)

 

〈略歴〉
昭和18年 高知市生まれ
昭和37年2月 高知高校卒業
昭和39年4月 家業の酒類小売業に従事
昭和47年9月 酒類小売業として独立
昭和53年7月 高知酒造株式会社 取締役就任
昭和60年7月 同 代表取締役就任
平成2年11月 高知県酒造組合 副理事長就任
平成3年10月 高知県酒造組合・高知県酒造協同組合 理事長就任

 

高知県酒造組合
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