新聞読み方講座
第1回きょうの1面トップ記事は?

さあ新聞を手に取ってみよう。表面の1ページ目、ここを「1面」といいます。新聞の顔です。その日、日本と世界で起こったニュースでいちばん大事だと、新聞社が判断した記事が載っています。
 1面に入る記事はだいたい4本ぐらい。いちばん大きく扱った記事を「1面トップ記事」とか「1面アタマ」などと呼びます。紙面の右上(上)にあります。その後、2番手(カタともいう)、3番手(ハラ)のニュースが続きます。

紙面をよく見てください。それぞれの見出しの大きさが違うのが分かりますか。トップの記事には通常、4段分のスペースを使ったタテ見出しがついています。特大ニュースのときは、幅の広いヨコ見出しになります。ヨコ型のほうが視覚的にインパクトがあるからです。「大ニュースですよ!」という目印です。
 2番手の記事につく見出しは、ふつうはタテ3段分です。3番手の記事は、さらに小さめの見出しになります。
 見出しの大きさが違うと、当然、見出し文字の大きさも違ってきます。1面トップ記事の見出し文字がいちばん大きい。まずこの文字が目に飛び込んできます。見出しの大きさが違うのは、偶然ではありません。このページを編集する記者(編集者)が、「何度も何度も考えて」、見出しの大きさと紙面に掲載する順番を決めているのです。

この「ニュースの重要さを決めること」を「価値判断」といいます。価値判断が決まると、おのずと紙面のレイアウトも決まっていきます。
 日本語のタテ書きの文章は、「上から下」に流れていきますね。
この流れにそって、記事も上から下へと流れていきます。つまり、いちばん大事なもの(トップ記事)は上にあります。でも、そもそも自然にトップの記事が目に入るように、紙面はレイアウトされています。

新聞をぱっと見るだけで、どのニュースが大事なのか、どのニュースをみなさんに読んでほしいのか、みなさんに伝わるように新聞を作っています。一方、インターネット上のニュースは、同じ活字の大きさで順番に並んでいるものが多いですよね。

ネットのニュースは速報性が重要で、時間がたてば表示されたニュースは次々と変わっていきます。 新聞は速報性ではかなわないけれど、数多くのニュースの中からその重要性を判断する力、そして、読者に考える材料を提供する機能は、他のどんなメディアにも負けません。

拡大表示 画像をクリックすると紙面を拡大表示できます。

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