新聞読み方講座
第16回社説も読んでみよう

聞社の社説とは、その新聞社としての主張や見解を表明する解説記事です。朝日新聞の場合、社説は原則として毎日2本掲載されていますが、大きなニュースがあった場合は、1本のみの「大型社説」にします。

朝日新聞の社説は「オピニオン面」に掲載されています。この面は社説のほか、「社説余滴」や「記者有論」など、社説とは少し違った見方や考え方を示した記事も掲載されます。また、読者の主張・意見を集めた「声」欄には、毎日数多くの投稿があります。

社説は、記者として豊富な経験があり、専門分野を持った論説委員が交代で執筆しています。約20名の論説委員が所属する「論説委員室」は、一般の記者が所属する社会部や政治部、経済部、科学医療部、スポーツ部などとは別の部署になっています。ニュースを伝える報道部門と、社としての主張を述べる部署は別にすべきだ、という考えからです。

社説のテーマを話し合う編集会議は毎日午前11時ごろから、数時間あります。その日のテーマを書く担当の論説委員は、その専門分野を持つ1名ですが、議論は全員でします。まず担当の論説委員が「こういう方向で書きたい」と提案し、各委員が意見や疑問点を出し合い、社説の内容を固めていきます。社説の責任者は、朝日新聞の場合は論説主幹といい、論説主幹が社説の内容についての最終判断をしています。ときには、かなり激しい議論も展開されます。

社説には「何が起きているのか」 「その原因や背景は何か」 「今後はどうなるのか」などが書いてあり、その上で新聞社としての考えや訴えが示されています。このことを意識して読むと社説の内容が分かりやすくなるはずです。

高知総局 外園

社説は一見堅苦しそうですが、執筆する論説委員たちは、できるだけ分かりやすい表現や言葉で書くよう努力しています。そして新聞各社の社説の内容は、違っていることが結構多いです。それぞれの考え方、主張がはっきりと書いてあるので、社説を読み比べるとその新聞社の特長も見えてくるはずです。その上で、「自分ならどう考えるか」といった自分なりの見方を持つようにすれば、社会へのアンテナがどんどん磨かれていくと思います

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