新聞読み方講座
第14回「実用日本語」を学ぼう

文章を書くときに大切なことは、わかりやすく、相手に正確に意味が伝わることです。美しい文章は魅力的ですが、日常的なコミュニケーションの手段として文章を考えたとき、美しさよりも、わかりやすさや正確さを大切にするほうが良いでしょう。
 わかりやすい文章のお手本は、新聞記事だと思います。新聞記事は「中学生が読んで分かるように書く」ように、僕ら新聞記者は先輩たちから教え込まれてきました。

正確に相手に伝えるためには、できるだけ具体的に書くことが大切です。いくら「一生懸命に頑張りました」と書いても、どのくらい頑張ったのかは伝わりません。「グラウンドを200周走ったあとに、腹筋を200回しました」と書けば、厳しい練習の様子が伝わってきます。同様に、「朝から夕方まで頑張った」と書いても、よくわかりません。「午前7時から午後7時まで、街頭で呼びかけた」と書けば、具体的にイメージできます。

分かりやすい文章にするためには、主語と述語、修飾語と被修飾語の位置をできるだけ近づけることが大事です。そのためも、一つの文章はなるべく短いほうが良い。一つの文を「40字以内」で書いてみてください。すっきり分かりやすくなるはずです。新聞記事は、短い文章が淡々と続いていくことも多いです。
 当然ですが、主語と述語はきちんと対応させること。無駄な接続詞や形容詞は省くこと。内容や表現のダブりは避けること。こんなことも意識してください。また、自分たちの仲間で使っている「若者言葉」ではなく、正確な日本語で書くこと。「話し言葉」ではなく「書き言葉」で書くことが重要です。

社会に出て求められる「国語力」

高知総局 外園

聞の記事は「実用日本語」でできています。お手本がいっぱいです。
新聞をしっかり読み、考えていくと、こうした力が上達していくはずです。

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