みなさんは今、縁あって高知県で生活していますね。県内の名所や観光地にはどれぐらい行きましたか？広い高知、海も山も川もあります。ぜひ、自分のお気に入りの高知を見つけてほしいです。

朝日新聞高知総局は、県庁前交差点近くにあります。記者はここから県内各地に取材に出かけます。一番遠い場所は県西部・大月町にある柏島あたりでしょうか。車で片道４時間ぐらいかかります。一方、県東部の東洋町も遠いですね。高知の海岸線は、リアス式の複雑になっているところもあり、総延長は７００キロもあるとか。山間部では、梼原町をさらに登っていく四国カルスト・天狗高原も結構遠い。本当に広い県ですね。
　それだけに、それぞれの情景や風土はすばらしい。足摺岬と室戸岬も雰囲気が違い、どちらも印象的です。各地の漁港や山村も独特の味わいがあります。
　公共交通機関が十分でないところもあり、バスや列車で行くと効率よく行けないことも多いかも知れません。でも、そんな非効率な旅ができるのも学生の特権です。もちろん友人の車で行くのもいいですよね。

現地に行くと、いろいろな発見があります。楽しいことばかりではないかも知れません。店が少なくて不便だとか、過疎が進んでいるとか、地域の難題を目の当たりにするかも知れません。それも、現地に行ったからこそ分かること。まずは自分の目で確かめるということが大切です。
　記者の基本である「まず現場に行く」は、みなさんにも役に立つ、心がけてほしいことです。現場でないと分からないことがたくさんあるのです。そして、そんな体験が増えれば、いろいろな場所や経験を「比較」することができます。みなさんの思考の幅が広がっていくのです。

みなさんは高知に住んでいるので、せっかく旅に出るなら北海道や沖縄など「遠くに行きたい」というのは分かります。ただ、今は高知にいますが、これから高知を巣立っていく多くの人たちにとっては「いまだからこそ行ける」ともいえます。だから、まずは高知を旅してほしいです。
　「どこに行ったらいいですか」という質問もときどきもらいます。僕なりにお勧めの場所はいろいろありますが、どこに行くかも含めて、あれこれ考えて悩んでください。そこからすでに、あなただけの発見の旅が始まっています。